隠岐島前高校、地歴科教諭の木村泰之、家庭科教諭の曽田成、教育コーディネーターの大野佳祐です。たくさんの答えを頂き、ありがとうございました。離島にある当校は廃校の危機に直面してから、学校と地域の魅力を一緒に高めるために様々な取り組みをしてきましたが、今回の問題で頂いたアイデアはどれも参考にしたいものばかりでした。
では2限目の問題のおさらいです。
Q 学校やその生徒たちが、地域活性化のためにできることは、どんなことがあると思いますか?
頂いた答えの多くに共通したことは、「学校が地域を学ぶ対象とすることで、地域の困りごとを見つけ、成功の可否に関わらず、活性化につながると考えます」(雪平実幸さん)や「よりオープンな環境を整えフィールドを海外に広げることで、多くの観光客や収益が望める」(のうちゃんさん、21歳)のように、生徒が学校の外に飛び出していくことで、結果として学校がある地域が元気になっていくという考え方です。
では生徒がどのように地域に関わっていくことが考えられるでしょうか。「郷土料理の作り方を教えてもらえたりできたら、もっと島を知れると思いました」(空都さん、14歳)という意見のように、育ち盛りの若者が「食」を通して地域に入っていくのは自然なパターンかもしれません。
例えば生徒が地域の祭りに料理を出店するとします。そのとき生徒は地域の特産品や郷土の味について調べるために役場を訪ねたり、生産者の人に話しを聞きに行ったりするでしょう。そこで生徒にとっては、意外な答えが返ってくることもあります。特産品だと思っているものが実は地元の人は食べていなかったり、地元の人しか知らない旬の食材があったりします。知られていない食材を使った料理を祭りでふるまえば、食材のPRにつながるという可能性は十分ありますよね。
地域がまるごと学校
具体的なアイデアもいくつか頂きました。教員という立場としても興味深かったのが以下の回答です。
「先日、鹿児島でも高校生が町内会長になったニュースがありましたが、小さなコミュニティだからこそ、『学生』という立ち位置も生かして、実際の行政のプロセスや自治の現場で課題を発見して、実践・発信していくことで、思いがけない成果が生まれてくる可能性を感じます」(takahiko.nishimuraさん、44歳)