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有森裕子 実況付きで「オンラインマラソン」は楽しい

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NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ)

今年は例年よりも駆け足で時が過ぎていくような気がします。経済活動が少しずつ活性化し始めている一方で、新型コロナウイルスの流行の収束は見えないまま、2020年の秋を迎えました。体調を崩しやすい季節の変わり目でもあるので、引き続き気を緩めずに体調管理と感染予防を心がけましょう。

「オンラインマラソン」、最初はピンとこなかったものの…

この季節は本来ならマラソンシーズンの到来となるところですが、このコロナ禍で、大規模なマラソン大会は困難に直面しています。私が毎年スペシャルアンバサダーとして参加しているおかやまマラソンは、残念ながら今年は中止になり、毎年3月に開催される東京マラソンの次の開催は、来年(2021年)10月へと延期されました。

参加を楽しみにしていた大会が中止や延期となり、意気消沈しているランナーの方もいるかと思います。しかしそうした残念なニュースの傍ら、バーチャルで開催する「オンラインマラソン」といった新しい大会のスタイルも生まれ、各地で普及しつつあります。11月には、アシックスが仲間や家族のチームで参加できるオンラインの駅伝レースを開催するそうです。

「オンラインマラソン」と聞いても、あまりピンとこない方や、「それって楽しいの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。実は、私もそうでした。最初は何をするのかがイメージしにくく、面白さがいまひとつ分からなかったのですが、先日、実際にこうしたイベントを体験できる機会に恵まれ、認識が一気に改まりました。

「抜きましたよ!」ランナーの耳に実況、ゴールまで応援

私が参加させていただいたのは、瀬古利彦さん(横浜DeNAランニングクラブ エグゼクティブアドバイザー)が中心となって企画した、「GOGO2021 w/瀬古利彦&Friends」というイベントです。これは、離れた人と一緒にランニングが楽しめる「ライブラン」という専用アプリを使った、無料の「実況解説付きバーチャルランニングイベント」で、参加者はそれぞれ自分の好きなコースを走り、実況解説や応援をイヤホンで聞きながらゴールを目指します。

私はこのセッションに8月と9月の計2回、ゲストナビゲーター、つまり実況側として参加しました。大会には、日本各地のみならず、海外の参加者も含めた200人以上のランナーが参加。瀬古さんと私は、皆さんの走った距離や時速、順位などが映し出される画面を見ながら、レースの状況を解説し、応援メッセージをリアルタイムで届けます。

たとえば、「Aさん、1人抜きましたよ!」「今、BさんとCさんの順位が入れ替わりました!」「ゴールまであと〇分、がんばれ!」…といった感じです(参加者はあらかじめ登録したニックネームなどで呼ばれます)。スタート前に走り方などについての質問を送ってくれた方には、それについてレース中に答えたりもしました。

まるで一緒に走っているような不思議な感覚と臨場感

普段、マラソン大会にゲストとして参加するときに私が楽しみにしているのは、沿道でランナーの皆さんに声援を送ったりハイタッチをしたりすることですが、1人1人のランナーにとっては、一瞬の出来事です。一方、オンラインマラソンでは、ランナーの皆さんが実際に走る姿を見ることはできず、ハイタッチもできませんが、その代わりに、1人1人のランナーの耳にダイレクトに、かつ継続的に応援の声を届けることができます。これは私にとって非常に新鮮で、刺激的な体験でした。

参加するランナーにとっても、お互いの姿は見えないけれど、ナビゲーターを通じて人と人がつながり、みんなで一緒に走っているような不思議な感覚と臨場感が生まれます。実際にこのセッションに参加したランナーの方からは、完走後に「本当に横で一緒に走ってもらっているみたいだった」「1人で走っていても、応援してもらったおかげで元気が出ました」といった感想をいただきました。自分が参加しているレースの実況を聞きながら走るという面白さはオンライン開催ならではで、1人で走り続けるしんどさなども解消できる新しい形だと思いました。

もちろん、多くのランナーにとっては、たくさんの人たちと一緒に走り、抜きつ抜かれつ順位を競えるリアルなマラソン大会が一番楽しいことでしょう。レースに出場すれば自分の成長度合いが明確に分かりますし、それを目標に日々のトレーニングに励んでいたという人も少なくないと思います。それでも、コロナ禍で生まれたこのゲーム感覚の新しいスタイルには、リアルとはまた違った楽しさがあり、今後さらに広がり、コロナが収束した後も残っていくのではないかなと思いました。

オンラインマラソンにあまり興味のなかった私にとっても、まさに目からうろこが落ちるような体験で、あまりの楽しさに、瀬古さんには「ぜひこれからも続けてほしいし、また私も参加させてください!」とお願いしてしまいました。

好きな時間に、好きな場所で、何度でも参加できるイベントも

私が理事長を務める「スペシャルオリンピックス日本」[注1]でも、大会出場やスポーツをする機会が失われた全国のアスリートの新たな目標作りや、国民の健康増進のために、われわれが何かできることはないかと模索していました。アイデアを出しながら10月1日からスタートしたのが、「スペシャルオリンピックス日本 オンラインマラソン2020」です。

このオンラインマラソンのキーワードは、"つなぐ"。知的障がいのある人もない人も関係なく、期間中に参加者全員の走った、もしくは歩いた総距離で日本を1周し、その後は世界1周を目指すイベントです。個人部門や、仲間で参加できるチーム部門があり、いずれも「エントリーフォーム」と、自身のランニングウォッチや専用アプリなどを活用して測った走行距離を記録する「記録提出フォーム」を運営側に提出するだけで、気軽に参加できます(1日最長50kmまで)。

イベント進行中は、今、参加者の合計で何km走り、日本、そして世界のどの地点に到達したのかがサイト上の地図に表示されるほか、個人部門とチーム部門の走行距離のランキングも掲載されてモチベーションアップにつながります。何よりもこのイベントの良いところは、いつ、どこで走ってもOKなところです。大会参加のために遠方まで出向かなくても、自分の都合のいい時間帯に好きな場所でチャレンジできますので、参加者を選びません。自分のペースでランニングやウオーキングができ、毎日参加してもいいので、運動の習慣化や運動不足の解消にもつながります。オンラインの参加証も届きますので、これを読んでくださっている皆さんもぜひご参加ください(12月10日まで開催)。お待ちしています!

スポーツ界に限った話ではありませんが、今のコロナ禍のようなピンチに陥ったときほど、新たなサービスは生まれます。しかし、そうした新しいサービスに、障がいを持った方々や高齢の方々などは参加できないケースが少なくありません。今回の試みはそこのハードルを取り払った、好例ではないかと自負しています。

弱い立場の人ほど、世の中で取り残されがちになることが少なくないですが、アイデア次第で、障がいがある人もない人も関係なく、人とつながりやすくなります。オンラインなら自分の状況がどうであれ参加しやすく、会えなくても気持ちや心がつながれば、「自分は決して1人ではない」と思うことができます。人を通じて自分の存在意義や価値を知ることができるとも思うので、それが生きるエネルギーにつながればいいなと思っています。

リアルな「場」が戻ってくることが待ち遠しい一方で、誰もが気軽につながることができるこうした選択肢が、今後も増えていってほしいと願っています。

(まとめ 高島三幸=ライター)

[注1]スペシャルオリンピックス日本:知的障がいのある人たちに、さまざまなスポーツトレーニングとその成果発表の場である競技会を提供する国際組織「スペシャルオリンピックス」の、日本国内での活動を推進する非営利組織。

[日経Gooday2020年10月21日付記事を再構成]

有森裕子さん
元マラソンランナー(五輪メダリスト)。
1966年岡山県生まれ。バルセロナ五輪(1992年)の女子マラソンで銀メダルを、アトランタ五輪(96年)でも銅メダルを獲得。2大会連続のメダル獲得という重圧や故障に打ち勝ち、レース後に残した「自分で自分をほめたい」という言葉は、その年の流行語大賞となった。市民マラソン「東京マラソン2007」でプロマラソンランナーを引退。2010年6月、国際オリンピック委員会(IOC)女性スポーツ賞を日本人として初めて受賞した。

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