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無印良品「手作りキット」 プチ手間が消費者くすぐる

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NIKKEI STYLE

日経クロストレンド

本格的な料理が手軽に楽しめる無印良品「手作りキット」が、コロナ禍の影響もあって前年比2倍を売り上げるヒット商品に。鍵は完成までにちょっと手間がかかる点。簡単すぎてもヒットにはつながらない。今後の消費を読み解く「プチ手間」について分析した。

「発酵ぬかどこ」に続くヒット商品

新型コロナウイルスの影響を強く受ける現在の消費。そうした中でもヒット商品を生み出しているのが良品計画の「無印良品」だ。毎日かき混ぜなくていい「発酵ぬかどこ」が前年比で2倍以上のヒットに。実はそれ以外にも、対前年で売り上げを2倍に伸ばしている商品がある。「手作りキット」シリーズだ。

手作りキットとは、スパイスやペーストが入っており、具材を用意するだけで自宅でも本格的な味が楽しめる商品。ラインアップはグリーンカレーやバターチキンカレーなどの本格カレーの他、ガパオやパッタイをはじめとするタイ料理、ナンが手づくりできるキットもある。

発酵ぬかどこのヒットは2018年3月の発売から3カ月後、インスタグラムへの投稿がきっかけで、新型コロナウイルスの感染拡大や「おうち時間」の増加などはあまり関係ないとのことだった。しかし、良品計画調味加工担当マネージャーの鈴木美智子氏によると、手作りキットは外出自粛の影響が表れているという。

「もともと人気のあった商品だが、新型コロナウイルスの感染が広がってからの伸び率は非常に高い。自宅で食事をするときの楽しみ方が変わってきているのを感じる。本格的な料理を、簡単に自分でつくれることが支持されている理由だろう」(鈴木氏)

お店でしか食べられないような味を、自宅でつくることができる。外出自粛の中、「外食したときのような味が食べたい」というニーズにこたえているのが、手作りキットなのだろう。

「手間をかけた感」を欲しがる消費者

世代・トレンド評論家の牛窪恵氏によると、無印良品の手作りキットは「少し手間をかけたい」というwithコロナ時代の消費ニーズを満たしているという。

「手間をかけたくないならデリバリーを頼めばいいと思うかもしれないが、今の消費者は少しでも手間をかけたという実感が欲しい。カレーライスをカレー粉からいためてつくるなど、本当に手間をかけるのは大変だが、多少でも『手間をかけた感』は失いたくない」(牛窪氏)

以前から、「手間をかけた感」が味わえる商品はヒットしてきた。例えばオイシックス・ラ・大地の「ミールキット」。必要な分量のカット食材や調味料がセットになっており、基本は20分間調理するだけで、2品の料理が完成するというものだ。牛窪氏は「本当はお総菜を買えばいいところを、ちょっと手間をかけることで『やっていない』という罪悪感を払拭させることができる」と、ミールキットのヒットの理由を分析する。

外出自粛により時間ができたことで、今まで以上に「手間をかけた感」を欲している人が増えているということだろう。確かにステイホーム中は、ホットケーキミックスが品切れになったり、パンづくりをする人が増えたりと、手間をかけて料理をする人が増えた。このちょっとした手間は、今風に言うと「プチ手間」と呼ぶそうだ。コロナの影響でヒットした商品には、この「プチ手間」が何かしら影響しているケースが少なくない。

「例えば『ほったらかし家電』と呼ばれる調理鍋がヒットしている。シャープの自動調理鍋『ヘルシオ ホットクック』は、20年4月の販売台数が前年比で3倍以上だったと聞く。食品ではぬか床の他にも、水耕栽培でハーブを育てる、ヨーグルトを手づくりする、ピザやパンづくりをするなど、手間をかける人が増えた。体に良いものを手づくりし、手塩にかけて育てたいという気持ちも表れていると思う」(牛窪氏)

水耕栽培は、1日1回水の分量を確認・補充するだけで、食事に使えるバジルやミントなどを育てられる。自分で育てたものを摘み、食事に入れて口にできたときには、ちょっとした達成感があるだろう。今まではデリバリーで頼んでいたピザも、つくると手間がかかる分、完成したときの満足度は高い。牛窪氏は「通常、ピザやパンは寝かせた後と焼いたときに膨らむので、目で見て変化が分かりやすい。そういう意味でも、達成感を実感しやすいと」と話す。

ヒットの条件は、「達成感」と「気軽さ」

発酵ぬかどこを含めて、新型コロナウイルス禍に売り上げが伸びた食品や調理器具を見てみると、「ちょっとした手間がかかること」と「イメージよりも気軽にできること」が共通しているようだ。これらを踏まえ、コロナ禍の今、ヒットに結び付きそうな商品は何か。

「昔はやった『そば打ち』はいいと思う。これまでは定年退職をしたお父さんたちに向けた本格的なグッズしかなかったが、今はもっと簡単にできるものがある。ピザやパンと同じで、生地をつくるときに叩きつけるのでストレス発散にもなるだろうし、お子さんと一緒につくれば会話も増える」と牛窪氏。

本格的な器具が必要なイメージのある、フレッシュジュースやコーヒーづくりなども脈があるという。「玉ねぎをみじん切りにする器具があればフレッシュジュースができるし、焙煎用の網があればコーヒー豆を煎ることができる。身近なものを応用するなど、皆が気軽にできるとヒットにつながる」(牛窪氏)

また、今後人気が出てくると思われる商品として、牛窪氏は「キノコ栽培キット」を挙げる。

「コロナ禍で、キノコを育てる人も少しずつ出始めている。じめじめしたところに置いておけば、わりと簡単に育ち、ほぼ毎日収穫できて料理に使うことができる。キノコ栽培はハマる人が多いと聞くので、キットがより多くの人に知られ、気軽に楽しめるようになれば、ヒットするのでは」(牛窪氏)

ちょっとした手間と気軽さがポイント。既に販売している商品も、時流に合わせて改良し、消費者の「プチ手間マインド」を刺激できればヒット商品につながるかもしれない。さらに牛窪氏は「同じことをやっている仲間がいると、さらにヒットに結び付きやすくなる」という。

(ライター 梶塚美帆)

[日経クロストレンド 2020年10月22日の記事を再構成]

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