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ネスレ日本の石橋昌文専務執行役員CMO

ネスレ日本の石橋昌文専務執行役員CMO

ネスレ日本がマーケティング戦略で、ブランディングを目的にしたショートフィルム「ブランデッドムービー」に力を入れている。取り組みは2003年から。国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア」では、「ブランデッドショート部門」を2016年の設立当初から協賛するほどだ。同社の専務執行役員チーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)、石橋昌文氏に狙いを聞いた。

◇  ◇  ◇

――ブランド価値向上のための動画「ブランデッドムービー」に力を入れるようになったのはなぜですか。

「03年の『キットカット』日本発売30周年キャンペーンを考えるなかで、新しいブランドコミュニケーションの手段としてショートムービーに着目したのがきっかけです。『キットカット』のブランドサイトで消費者に見てもらおうと、岩井俊二監督につくってもらった短編映画『花とアリス』がブランデッドムービーの先駆けとなりました」

「その後、13年のネスレ日本創業100周年に向けたイベントを計画しているときに、映画監督たちがオリジナルの作品を製作できずにいることを知りました。漫画や小説、テレビドラマなどの『原作ありき』が主流になっているというのです。そこで、ネット公開のショートムービーでよければと、当社がスポンサーになることを申し出ました」

「条件はひとつだけ。冒頭の1分間、当社の100周年に関するエピソードなり、ブランドの広告なりをつけてくださいと、お願いしました。その広告もテレビCMのようなものではなく、それぞれの監督がオリジナリティーを持って製作したコンテンツとして、入れていただきました。今年亡くなった佐々部清氏をはじめ11人の監督に11作品を製作してもらい、累計の視聴者数は2000万人を超えたと思います」

「現在は本編に当社の製品が単に出てくるのではなく、きちんとした意味を持って登場するかたちで、ブランドのコンセプトを伝えるムービーを製作してもらっています」

デジタル環境の整備で選択肢が増えた

――なぜブランデッドムービーなのですか。

「ブランドコミュニケーションの手法はいろいろあると思います。以前なら、新聞、雑誌、ラジオ、テレビのマスコミ4媒体を使った広告表現がほとんどでしたが、デジタル環境が整備されたことで選択肢が増えました。さらに、若い人がテレビに代わってオンラインでコンテンツを楽しむようになってきました。そうなると、テレビに広告を出しても、必ずしもリーチするとは限りません。このため、リーチするための場として、デジタル空間を利用しています」

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