日経ウーマン

2020/11/2

水災リスクが低い場所なら保険料が下がる商品も!

姉 「地震保険」も保険料が高くなるから入っていないニャ。

清 地震などで住まいが「全壊」したとしても、公的な支援金は100万円だけ。支援金と貯蓄だけで生活再建はできるかな? 火災保険は目先の損得ではなく、もしもの際の「生活基盤」として考えてほしいですね。また、保険料と補償の手厚さは比例するもの。掛け金の安い「火災共済」などは、災害時に受け取れる共済金も少なくなります。

姉 保険は来年更新なんだけど、見直したほうがいいかニャ?

清 実は昨年に引き続き、21年1月にも大手損保は火災保険料を改定する見通し。地震保険の保険料も変わり、上がる場合も。姉ニャンのように、1年以内に契約更新が迫っている人や、1~2年の短期契約の人は見直すタイミングです。ハザードマップを見て、水害リスクが高い地域にお住まいの方は必ず、水災補償を付けておきましょう。

トク 長期契約&一括払いだと割引になっておトクって聞いたけど、一度に数十万円は、お姉にはハードル高そうニャ。

清 今後は契約期間を最長10年から5年に引き下げる案も出ているので、満期が近く、保険料が上がりそうなら、10年契約に変えておく手もあります。

姉 コロナ禍でキャンセルした夏休みの旅行代金を保険料に充てるかニャ(涙)。ハザードマップで水害リスクが低そうな土地を選んだわが家だけど、割引とかはないのかニャあ。

清 ありますよ! 今年から、楽天損保がハザードマップに基づいた保険料設定の仕組みを導入。大手損保も今後追随するかも。いずれにしても、火災保険は「防災グッズ」の一つと心得て、災害時に持ち出すリュックの中に保険証券のコピーを入れておきましょうね。

この人に聞きました

清水 香さん
ファイナンシャルプランナー、社会福祉士。生損保代理店を経て独立系FPに。財務省の地震保険制度に関する委員も歴任。近著に『どんな災害でもお金とくらしを守る』(小学館クリエイティブ)、『貯金ゼロ 知識ゼロ 節約ゼロ でも大丈夫!”もしも”に備える新しいお金の使い方』(小学館クリエイティブ 2020年11月20日発売)

(取材・文 澤田聡子、イラスト おおの麻里)

[日経ウーマン 2020年10月号の記事を再構成]

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