敵前逃亡型転職vs社外異動型転職

次に、「その2」として、「今の職務を十分にやり切ったといえるか?」を挙げたいと思います。

今の職場に留まるにしても、新しい勤め先へ移るにしても、どちらの職場においても平時以上のタフな業務執行を求められるのがミドル・シニアの皆さんです。経営側・企業側からすれば、この状況を乗り切ってくれるリーダー、幹部であるか否かを厳しく問う必要があります。とすれば、相応以上の業務達成や成果物なくして、次の役割のアサインを求められても、それは「ちょっと待ってくれ」というのが経営側・企業側の本心です。

ここまでの役割・ミッションに自分として納得するだけ取り組めた、十分にやり切った。今、任されている職務を完了し、ここから先にはこれ以上のチャレンジがない。自分の持てる力を最大限に発揮し貢献できる場を求めたい。

こういった「やり切った感」を十分に認識できていますか。そうならば、「ここではないどこか」でさらなる大きな職務を。

やり切ったうえで、自分には今の職務でパフォーマンスを上げることはここまでで限界だと認識できたのなら、現職とは別の道へ踏み出す。

いずれにしても、方向性は明確です。転職活動も迫力ある踏み出し、踏み込みをできるでしょう。その指針に合致した次の場のご縁は、遅かれ早かれ見つかるはず。

しかし、もしもいずれでもない「どっちつかず」の転職になるなら、もう少し現職で踏ん張ってみたほうがよいでしょう。

この連載で以前も触れたことがありますが、ゲームのステージクリアをして次に進まない限り、また同じ局面がやってくる(同じステージを繰り返す)のです。職場の人間関係が問題で、それを解決せずに逃げて次の会社に行けば、その会社で必ずまた同じ人間関係の問題が起きる。任された役割に対して十分に試行錯誤をし結果を出すところまで踏ん張れず、その結果、会社からの評価が悪く、そこから逃げて次の会社に行けば、その新会社でまた同じような評価を得ざるを得ない状況に立ち至りがちです。

解決しない限り、同じ課題がまたやってくるのです。今の転職活動が「敵前逃亡型転職」になってはいないでしょうか。理想の転職とは、現在の役割・ミッションを満了したうえで次の役割・ミッションへと向かう、その際によりチャレンジングな役割・ミッションを自ら求めるという「社外異動型転職」です。

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