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傘を肩に掛けると、後ろの人の視界をさえぎってしまう(写真はイメージ) =PIXTA

傘を肩に掛けると、後ろの人の視界をさえぎってしまう(写真はイメージ) =PIXTA

雨の日の外出は、同行する相手の「人柄」に触れる機会になる。ポイントは傘。持ち方やたたみ方は、その人の知られざる「気配り度」や、普段は気づきにくい「品格」をうかがい知る手がかりになり得る。傘は言葉を発しないが、持ち主のキャラクターを雄弁に語りだすこともある。

マナー違反の筆頭格に挙げられているのは、傘の「横持ち」。名前の通り、傘のハンドル(握り、持ち手の部分)を使わないで、胴体のほぼ真ん中あたりをつかむ持ち方だ。

傘が水平状態になるので、先端の石突きが地面にぶつからず、運びやすい点が持ち主にとってのメリットなのだろう。つるつるで滑りやすい持ち手に比べて、真ん中あたりのほうが保持しやすいという意識も働いているのかもしれない。

しかし、とにかく危ない。とりわけ、とがった石突きが向く後方を歩いている人にとっては危険だ。傘の持ち主が急に止まると、石突きを腹部に突き立てられそうになることもある。

しかも、後方の歩行者が子供だった場合は、石突きが目や頭の高さになることも起こり得る。子供がうまく歩みを止められないと、ひどい事故が起こりかねない。

後方が大人の場合でも、エスカレーターでは子供に近い状態になる。段差があるせいで、傘の先が後方者の顔や胸の高さに当たりやすくなってしまうからだ。揺れが生じる階段の場合はさらに危険度が上がる。

ちょっと考えれば誰でも簡単に想像できそうなこういったリスクを、横持ちをする人が予想できないとは考えにくい。少しはイメージできているはずだ。しかし、横持ちを続けている。つまり、ぼんやりと「起きても構わない」と思っているようだ。もしくは「起きる可能性は低い」と甘くみているのだろう。

この考え方から導かれるキャラは「自分勝手」「ずぼら」「あさはか(楽観的)」あたりだろうか。周囲の迷惑よりも、自分の都合を優先する意識だ。自分の振る舞いを原因として、次に何が起きるかを、あまり丁寧に考えない思考停止の態度も透けてみえる。

横持ちの困った発展形が「前後に大きく振る」だろう。石突きが勢いよく飛んでくるから、危なくてしかたがない。まるで「近づくんじゃない」と、ソーシャルディスタンシングを強引に求めているかのよう。駅の人混みの中でもこれをやらかす人がいるのには驚く。というかあきれる。

横持ちは見た目もよろしくない。もともと縦に持つようにできている傘だけに、横から見ると、前後に余計な出っ張りが生じて、スマートに見えにくい。見た目を気にしない性質(たち)なのか。見栄えが悪いと感じていないのか。どちらにせよ、他者からの視線にやや鈍感な気がする。

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