Men's Fashion

スーツ選び 「自分の好み」をあぶり出す4つの質問

How to

2020.11.3

MEN'S EX

スーツ選びは本当に奥が深いもの。慣れた方こそ、“これってどっちがいいの?”と迷うことが増えてくるはずだ。ここからは、中でも好みが分かれる“究極の二択”について考える。スーツ選びの意思を固めるうえできっと役に立つはずだ。




Choice(1)英か、

スーツ22万5000円~〈オーダー価格〉/リッドテーラー(日本橋三越本店) シャツ2万1000円/ギ ローバー、タイ1万6000円/ホリデー&ブラウン、チーフ3800円/ビームスF(以上ビームス 六本木ヒルズ)

Choice(2)伊か

スーツ36万円/オラッツィオ ルチアーノ(伊勢丹新宿店) シャツ2万9000円/バルバ、タイ1万6000円/ホリデー&ブラウン(以上ビームス 六本木ヒルズ) チーフ6300円/ニッキー(ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店)

英・伊のスーツの違いとは何か? 前者は構築的、後者はソフトと仕立ての面ばかり語られがちだが、並んで重要なのはフィッティングに対する美学の差だ。英国仕立ては伝統的に、胸周りにスペースをとり、肩の傾斜は比較的緩やか、袖は全体的に太い傾向がある。つまり全体的に悠々としたゆとりを感じさせる仕立てが特色だ。対してイタリア、中でも南伊のスーツは、実寸よりすっきりフィットして見せることを重視する。胸周りは前に迫り出させる形にして横幅を抑え、袖も先に向かってすぼませる。肩はノボリを強調して、肉体の曲線美を引き立てるスーツをよしとするのだ。ゆとりの美学とフィットの美学、どちらに共感するかが選びの決め手だ。

《結論1》

“ゆとりのエレガンス”を楽しむなら 英国スーツ

《結論2》

“フィットのエレガンス”を楽しむなら イタリアスーツ

Choice(1)右:人機一体か、

Choice(2)左:とことん手縫いか

右:スーツ26万円/スティレ ラティーノ、シャツ2万6000円/エリコ フォルミコラ、タイ1万6000円/ホリデー&ブラウン(以上ビームス 六本木ヒルズ) チーフ6800円/パオロ アルビザッティ(パオロ アルビザッティ) 左:スーツ35万円/アルフォンソ シリカ(伊勢丹新宿店) シャツ3万6000円/ルイジ ボレッリ(バインド ピーアール) タイ1万5000円/ジエレ(ビームス 六本木ヒルズ) チーフ〈スタイリスト私物〉

まず理解しておきたいのは、手縫い工程が多いほどいいスーツであるとは限らないということ。そのうえで両者を対等な目線で比較すると、どちらを選ぶかはTPOによって決めるのがひとつの正解といえるだろう。写真はどちらもナポリ製のスーツだが、両者でかなり印象が異なるのがわかるはず。左はほぼ総手縫いで、味わいと温かみが満点だが、土着的な印象も強い。対して右はハンドとマシンを融合させた仕立てで、柔らかくもクリーンで都会的だ。粋な趣味性を発揮したい場面では前者を、洗練された印象を演出したい場面では後者をという具合に、シーンに適した選択を意識したい。

《結論1》

通な趣味性で選ぶならとことん手縫いを

《結論2》

都会的な洗練で選ぶなら人機一体を