南田裕介、JR九州の観光列車「36ぷらす3」乗ってみた南田裕介の変わる「鉄」を見にいく

1992年製の787系。新車のようにツヤツヤ、ピカピカになり南田裕介さんも感動
1992年製の787系。新車のようにツヤツヤ、ピカピカになり南田裕介さんも感動

会社員なのに「鉄道好き」としてなぜか有名になってしまったホリプロの南田裕介マネジャー。彼が日々変わり続ける鉄道の現場をたずねる連載。今回は10月16日から運行を開始したJR九州の新観光列車、黒く光るディスカバー九州エクスプレス「36ぷらす3」の試乗会に参加しました。

「36ぷらす3」のコンセプトは「九州のすべてが、ぎゅーっと詰まった”走る九州”といえる列車」。2013年に運行開始したクルーズトレイン「ななつ星in九州」が日本のクルーズトレイン文化を開花させたように、「36ぷらす3」もまた、これまでの様々な概念を打ち破る、全く新しいハイクラスな列車としてデビューするという。南田さんが1日乗車体験し、その心髄を体感しました。

これまでの概念を打ち破る新しい運行・販売スタイル

観光列車は全国のみどりの窓口で指定券が購入できる定期・臨時列車タイプと、JR九州でいうと「ななつ星in九州」「或る列車」のような、時刻表に載らない旅行商品タイプの2つの販売タイプに分かれています。

「36ぷらす3」はこの両方の販売方法をいいとこ取り。旅行商品タイプの列車のように、毎日運転区間を変えながら5日間かけ九州一周コースで走行するものの、全コースまとめての乗車はもちろん、どこか1部の区間、1日だけの利用も可能になっていて、数回に分けて利用し、全コースを完乗するなど、利用方法の選択肢が大きく広がっているのが特徴です。

寝台列車ではないので、好きな宿や夕食を選んで楽しむことができます。ランチ・ディナープラン(旅行商品)は車内食事付きですが、全国のみどりの窓口で販売するグリーン席プランは座席のみの販売なので、ビュッフェでアラカルトメニューを楽しんだり、好きなお弁当を購入したりして、乗車することもできます。

九州一周の全ルートの走行距離は1198キロ、 所要時間29時間近くになり、時刻表掲載の在来線特急としては日本一の長距離列車に

(※1日目木曜日コースは「令和2年7月豪雨」による被災の影響により、取材時点では販売は保留となっていました)

今回の試乗区間は、4日目にあたる大分→博多間の日曜日「青の路」コースを利用しました。

月曜日の「金の路」コース(長崎本線)を走行する「36ぷらす3」 (写真:JR九州提供)

同型車(787系)に見送られ大分を出発

改造前の787系(左)と比べると、リメイクされた「36ぷらす3」(右)は一目瞭然の変化

「36ぷらす3」の787系電車は名門特急「つばめ」の名を受け継ぎ、九州新幹線開業前の1992年、博多~西鹿児島(現・鹿児島中央)を結ぶ列車としてデビュー。JR九州の車両デザインを多く手がけている水戸岡鋭治氏が、初めて手掛けた新型特急電車。

当時約4時間要していた長距離の列車移動でも、快適に過ごせるよう車内設備が充実していました。その後、九州新幹線の開業により活躍の場を移し、現在ではローカル特急に至るまでJR九州のほとんどの路線で走行する、九州で最もなじみのある車両です。今回のプロジェクトでは、このうち1編成が「36ぷらす3」に変身しました。

試乗区間の始発駅、大分駅では、隣のホームに改造前と同じ姿の787系がお出迎え。そこへ「黒い森」をイメージした黒のメタリック塗装で、新車のようにピカピカになった「36ぷらす3」が入線し、並びました。

私が改造前の787系と初めて出合ったとき、JR九州には既にハイパーサルーンという新型車があり、 787系のあまりのカッコ良さに「こんな特急が走るの?」と驚きました。当時のJR九州は次々と新型特急電車を送り出していて、私もついて行くのが大変でした。今回、水戸岡先生は自身で作った車両を、もう一度自分の手で再改造するってどんな気持ちなのかなと思いながら、その変化と発見を楽しんでみようと思いました。

注目記事
次のページ
6両編成の車体番号は全車363!
今こそ始める学び特集