「このZEMAITISのギターの音も初期のものとは変化してきました。低音の響き方が以前よりも広がりがあるように感じます」

結婚した今の気持ちを歌にしました

「私が通っていた『音楽塾ヴォイス』の先生は、とにかく厳しくて『このフレーズが弾けるまで帰さない』というような方針の方でした。練習を少しでも怠るとすぐにバレてしまうし、指摘される。ギターを始めたのも19歳と遅かったので、人の何倍も努力しなきゃいけないと思い、本気で毎日6~7時間は練習していました。

だから、大学の頃はギターを弾いていた思い出しかないほど(笑)。授業とご飯と寝る時間以外は、ギターを弾いていたんじゃないかな。指もボロボロで最初のうちはお風呂に入ると傷口に染みて痛くて。でもそれも勲章というか。女子大生らしく、かわいいネイルにも興味があったけど我慢しました。

弾けば弾くほど、ちゃんと結果が出るのも楽しくて。『絶対に無理』と思うような難しいコードも、何百回となく練習していると、突然ふと弾けるようになるんです。『不可能が可能になる瞬間がある』とギターに教えてもらった経験はいまも生きています。できないと思うようなことも、努力を重ねれば可能になるというのが活動のモットーになっています。

もう1本、『Terry's Terry(テリーズテリー)』もメインでよく弾いていますが、これはTHE ALFEEの坂崎幸之助さんからお借りしているもの。坂崎さんが何十年も大切に弾き続けてきたギターなので、本当に良すぎるくらいに音がいい。完成されているなと感じます。ギターって、きちんと弾き続けるとこんなにも音に深みが出てくるんだなと思うと、ZEMAITISのギターも楽しみ。自分とともに成長していくギターですね」

「坂崎さんには毎年、『お返しした方がよろしいでしょうか?』と尋ねるのですが、そのまま持っていていいよと言ってくださるので、お言葉に甘えて使わせていただいています」

「今回、初めてベスト盤を制作したことで、ギターと共に、自分も色々なことを経験してきたんだなと感じました。応援してくださっているファンの皆さんの中には、デビュー当時はまだ学生だったのに、いつしか結婚してママになった方もいます。活動に迷ったとき、原点であるギターの弾き語りライブ『chay’s room』をしたことで迷いが吹き飛んだこともありました。曲作りで、今感じていることや気持ちを大切に書いてきたので、曲を聴くと当時のことが走馬灯のようによみがえるんです。

新曲『花束』は、結婚した今の気持ちを形にしたいと思い、飾らないありのままの気持ちを込めて歌っています。新型コロナウイルスのステイホーム期間中につくった『永遠の針』もまた、ウエディングを意識したバラードになっています。時間に余裕が生まれたからこそ、ゆっくり作曲に向き合うことができました」

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