コロナで変わる雇用形態 社会保険から見た注意点とはいまさら聞けない大人のマネーレッスン

2020/10/29
雇用形態によって社会保険が変更になることもあるので注意が必要(写真はイメージ=PIXTA)
雇用形態によって社会保険が変更になることもあるので注意が必要(写真はイメージ=PIXTA)

コロナ禍をきっかけに、これまでの働き方が変わりつつあります。

あいおいニッセイ同和損害保険は、週1日だけの出社を認める制度を2020年10月から開始。みずほフィナンシャルグループは、希望すれば週休3日や4日で働ける制度を20年12月にも導入する見込みです。

こうした流れは多様化する働き方に対応したものですが、労働時間を短縮し賃金を減らすことで雇用を守る、いわゆる「ワークシェアリング」を目的としたものでもあります。業績が悪化している業種では、今後ワークシェアリングを導入する企業が増えるかもしれません。

給与の減少は、もちろん現在の手取りにも影響しますが、将来受け取る年金をはじめ、傷病手当金・出産手当金・育児休業給付金……といった社会保険の給付にも影響を及ぼします。そこで本稿では、労働時間を短くする際の注意点をまとめました。くわしくみてみましょう。

在宅勤務が増えると社会保険料に影響も

まずは、社会保険料がどのように算出されるか、簡単に確認しておきましょう。

私たちが毎月支払っている社会保険料は、「標準報酬月額」を基に計算されます。

「標準報酬月額」とは、4月~6月の報酬を平均して、「○○円~○○円は○○等級」と段階的に分けたものです。給与が下がると、この「標準報酬月額」の等級も下がります。

ちなみに、ここでいう給与(報酬)には、基本給だけでなく残業手当・通勤手当・住宅手当なども含まれます。在宅の勤務が増え、残業手当や通勤手当が減った人は影響があるかもしれません(賞与は年3回までの支給であれば、報酬には含まれません)。

標準報酬月額の等級が下がると社会保険の給付も下がる

さて、その標準報酬月額の等級が下がると、目先の社会保険料が下がるかわりに、将来受け取る厚生年金の額や、社会保険の給付も減ってしまいます。

月収40万円、35歳、東京都在住の会社員の例でみてみましょう(ボーナスは考慮せず)。

先述したみずほフィナンシャルグループの例では、週休3日で2割、週休4日で4割の給与が減額される見込みです。この減額の割合をもとに、社会保険料と給付にどういった影響があるかを試算しました。

※給与が変わらないと仮定して試算しているため、あくまで目安として参照。端数の処理で金額は異なることがあります。また、老齢厚生年金をはじめとする公的年金は、受取時の物価や賃金によって受給額が調整されます

影響が大きいのは、やはり「老齢厚生年金」でしょう。

厚生年金保険料は、給与2割減で年間約10万円マイナス、給与4割減で年間約19万円マイナス、と少なくなります。

一方、年金の受給額(35歳からの25年間、月収が変わらずに納付した場合の報酬比例部分)は、65歳で受給を開始した場合、給与2割減で年間約15万円マイナス、給与4割減で年間約28万円マイナスとなります。将来受け取る年金の減額幅の方が大きくなっていることが分かります。

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子育て世帯は手当金や給付金の減額に注意