■6位 パラサイト 半地下の家族 390ポイント
格差テーマ どんでん返しの連続
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家族全員が失業者で半地下住宅に住むキム一家。長男があるとき、丘の上の高級住宅地に住む裕福なパク一家の家庭教師の仕事を得る。

長男はパク家の別の子供の家庭教師に妹を紹介し、パク家に次々と「パラサイト(寄生)」していく。日本社会でも問題になっている格差をコミカルに描き出す。

「成功者と見える富裕層が実は下層階級に食い物にされるというテーマ設定が面白い。オチが傑作」(今井さん)。末沢さんは「どんでん返しの連続で物語の展開が読めないところがいい。(格差の問題など)考えさせられるところも多い映画」と評価する。

(1)ポン・ジュノ(2)2019年(3)バップ(4)4800円+税

■6位 ハゲタカ 390ポイント
企業買収 壮絶なマネーゲーム
(C)2009「ハゲタカ」製作委員会

壮絶なマネーゲームを描いたNHKドラマの劇場版。大手自動車メーカー「アカマ自動車」の経営支配権を巡り、中国系の巨大投資ファンドと天才ファンドマネジャー、鷲津政彦(大森南朋)が激しいバトルを繰り広げる。鷲津は日本企業を「赤いハゲタカ」から救えるか。

「投資ファンドなどにかなりヒアリングした作品であり、ハゲタカファンドや企業買収の雰囲気が本当にリアル」(石川さん)。今井さんは「敵対的TOB(株式公開買い付け)は昨今は一般的になってはきたが、今見てもそこに着眼した先見性に感心させられる」と評価する。

(1)大友啓史(2)2009年(3)NHKエンタープライズ/東宝(4)4800円+税

■8位 ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ 340ポイント
マクドナルドを奪った男

世界最大のハンバーガーチェーン「マクドナルド」の誕生物語はあまり知られていない。米国の田舎町で人気ハンバーガー店を経営していたマクドナルド兄弟の生産システムをフランチャイズ化して成功したある起業家の半生を描く。

映画では兄弟からアイデアと名前を奪った驚くような経緯が明かされる。「実話だからだろうが、並大抵の映画と異なり、えげつない主人公は報いを受けない。だからこそ逆に考えさせられる」(吉本さん)。石川さんは「ビジネスモデルの作り方の参考になる。実際に起業を目指す人に見てほしい映画だが、主人公の私生活はマネしないように」とくぎを刺す。

(1)ジョン・リー・ハンコック(2)2016年(3)KADOKAWA(4)3800円+税

■9位 ソーシャル・ネットワーク 280ポイント
フェイスブック誕生 裏のドラマ

世界最大のSNS(交流サイト)、フェイスブック誕生の裏側を描いたドラマ。天才プログラマーの主人公は異常な情熱を傾けて新サービスを開発し巨万の富を築く。しかし共同創業者の友人は主人公の勝手な振る舞いについていけなくなり、反目が始まる。

「天才とは何かが欠けた人間であるとしばしば言われるが、主人公はそれがぴったりあてはまる。そんな人物を受け入れられる社会こそが繁栄の礎であると教えてくれる作品」(久保さん)。「企業の成長を描いた物語でありながら欲望や嫉妬、恋愛、友情といった部分も描かれ、人間ドラマとしても面白い」(小池さん)。

(1)デビッド・フィンチャー(2)2010年(3)ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(4)1410円+税

■10位 マージン・コール 200ポイント
巨大投資銀行の崩壊 24時間に凝縮

2008年のリーマン・ショックの引き金になった巨大投資銀行リーマン・ブラザーズの経営破綻をモデルに、危機の予兆から大崩壊までを24時間に凝縮して描き出したサスペンスドラマ。

川崎龍一さんは「リーマン・ショック前後のリアルな金融状況を24時間という枠組みで表現した秀作。誰もがうすうす真実に気づきながらもダンスを踊り続けた」と当時の混乱を振り返る。

小池さんは「危機を察してから証券の売りに動くまでの社内のやり取りはフィクションとは思えない緊迫感で手に汗握る。金融業界の華やかさと残酷さの両面を描き、そこで働く人々の心理描写も見事」と評価する。

(1)J・C・チャンダー(2)2011年(3)ツイン/ミッドシップ/アメイジングD.C.(4)4095円+税

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