アクア全自動洗濯機「プレッテ」 部分洗いの負担軽減
今回の目利き 神原サリー氏
今回はアクアが9月中旬に発売した超音波洗浄機能付き全自動洗濯機「プレッテ」を紹介する。同社は三洋電機の一部事業を継承して2012年に設立されたハイアールグループの日本法人だ。三洋時代から洗濯機の技術力には定評があり、コインランドリー業界でも19年ベースで約70%のシェアを持つ。そんなアクアがエリや袖の部分洗いの負担を軽減させるべく開発した。一人暮らしにも向く8キログラムから、大家族向けの14キログラムまでの全5機種をラインアップ。価格は約10万~14万円。
超音波洗浄機「らくらくSONIC」は洗濯機本体に設置され、洗濯槽の中央から引き出して使用する。スイッチを入れるとトレイが高濃度の洗剤液で満たされ、ここに汚れた部分を置いて超音波ホーンに押し当てて汚れを浮かせて弾き出す。汚れた洗剤液はトレイを収納させると槽の外に排出される。
全自動洗濯機では導入されている機種がほとんどなかった液体洗剤・柔軟剤の自動投入機能も搭載。計量の手間を省くだけでなく、入れ過ぎも防ぐ。洗剤に合わせた設定がやや面倒だが付属のガイドがわかりやすい。
給水経路で圧力を加えることで洗剤液を泡立たせ、低水位からパルセーターを回転させて衣類に浸透させる洗浄方式などを採用して、汚れを落とす力も高めている。結果として洗濯時間が短縮されていることにも注目したい。食べこぼしやエリ汚れを超音波洗浄してから使う「SONIC速洗」モードも用意してあり、2キログラムまでなら18分で完了する。ひどい汚れを落とすために衣類全体をパワフルに洗うのでは、繊維を傷めることにもなりかねないが、これなら時短洗濯がかない、衣類にも優しい。
気になるのは12、14キログラムの大容量モデルでは超音波洗浄機を使用する際にトレイまでの距離がやや遠く、前のめりの姿勢になってしまうこと。脚の部分は防水パンに収めつつ、本体を前方に持ってくるなど改良するとさらに使いやすくなるだろう。
(家電+ライフスタイルプロデューサー)
[日経産業新聞2020年10月22日付]
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