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三谷幸喜×香取慎吾が生む笑い 『誰かが、見ている』

『誰かが、見ている』研究(上)

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NIKKEI STYLE

日経エンタテインメント!

三谷幸喜が脚本・演出、香取慎吾が主演のシチュエーションコメディ(シットコム)『誰かが、見ている』がAmazonプライム・ビデオで配信中だ。香取ふんする、予想もしない失敗を繰り返すフリーターが巻き起こすドタバタ劇。大河ドラマ『新選組!』をはじめ数々のタッグを組んできた三谷と香取が新たに生み出したシットコムの見どころや撮影秘話を3回連続でお届け。(上)では2019年末にあった撮影の様子をレポート。(中)(下)では香取、三谷のインタビューを掲載する。

2019年12月19日、東宝スタジオNo.8ステージ。三谷作品で言えば『THE 有頂天ホテル』や『ザ・マジックアワー』、古くは黒澤明監督の『蜘蛛巣城』や『どん底』が撮影された、映画ファンにはおなじみの巨大なスタジオだ。その一角に、1枚の壁を隔てて並んだ2つの部屋。三谷いわく「埼玉県和光市の高級マンション」という設定だ。

午前10時、スタジオには腕を組んでじっとセットを見つめ、スタッフに指示を出す三谷監督の姿が。そこにマイ水筒を片手に香取がフラっと現れた。「なんかすごい撮られてる(笑)」と、集まっていた取材陣に香取流のごあいさつ。その一言で場の雰囲気がホロリとほぐれる。振る舞いは至ってスマートだが、風貌はロン毛に黄色のつなぎとかなりシュールだ。

香取史上最高のインパクト

今回香取がふんする舎人真一は、かつて自身が演じた慎吾ママや孫悟空などの強烈キャラにも負けないインパクト。ドラマの全体像をまだよく把握していない取材陣の戸惑いをよそに、セット上での確認作業が始まった。スタジオに観客を入れワンシチュエーション、ノーカットで撮影する舞台形式のこのドラマ。スタッフ、キャストは前日に1日がかりで稽古をし、撮影当日はセット上で2~3時間のリハーサルの後、本番を2回収録するというのが撮影の流れだ。

この日撮影した第5話には、日本を代表する演歌歌手・レッツ大納言役で、稲垣吾郎がゲスト出演。稲垣と香取の芝居の掛け合いが自然と始まると、そこに三谷が細かな演出を伝える。香取が「吾郎ちゃんとお芝居というのはほどんとないので、楽しみにしていました」と言うように、稲垣と香取のドラマ共演は7年ぶり。加えて稲垣は演劇形式での三谷演出を受けるのが初めてゆえ、新鮮な光景だ。三谷は稲垣について「僕の作るものに合っている方だなという印象。柔軟性と理解力があり、アイデアを出してくれることもある」と話す。

1話は約30分。それをノンストップで撮影する。一度も止めることなく1回目のリハーサルを終えると、三谷が1人1人に声をかけ、セリフのニュアンスや動きのタイミングを修正していく。「予告で使えるようにあざとく」とリクエストした三谷に「あなたはいやらしい言い方をする人だ!」と佐藤二朗が返したり、宮澤エマの十分不思議なダンスに「もっと面白い動きを!」と三谷が無茶ぶりしたり、リハでの笑いもできたら配信してほしいと思ってしまう。

アイコンタクトで演出を追加

三谷と香取のタッグは大河ドラマ『新選組!』(04年)をはじめ、約20年にわたる。そんな2人の相性の良さを最初に知らしめたのは02~03年に放送されたシットコム『HR』。今作はそれ以来、約18年ぶりのシットコムとなる。

"呼吸が合う"とはこういうことなのだろうと思う瞬間があった。2回目の通しリハーサル中、演出卓から突然セットの近くに行った三谷。すると"舎人がプリンを食べる"という演出が加わった。しかしこれ、口頭ではなくアイコンタクトで伝えたようで、芝居をしながら暗黙の指示に気付いた香取は振り返ってプリンを見つけると、元から決まっていたかのようにそのプリンを一口で丸呑みした。それを見届けた三谷はニタリとして、演出卓に帰還。後の取材で三谷は、「1回目のリハーサル後に思いついたものの言うのを忘れてしまい、2回目が始まってから思い出した」と説明。「他ではやれないし、そもそもやらないけど、香取さんだったら分かってくれるだろうと賭けに出た」と明かした。その100%の期待に、香取は瞬時に120%で応えていた。

いよいよ観客を入れて本番収録。エンジ色の幕の前にはタイトルのネオンサイン。生バンドによるオープニングテーマが流れ、幕が上がる。自然と高揚してくる小粋でシャレた三谷演出は、ここでも健在。だが、この部分は配信されず、スタジオで観覧した人だけが味わえる贅沢な"舞台感"なのだという。もっと言えば、観客がいるため、演者はカメラに映っていないところでも常に芝居をしている。この贅沢さと緊張感が、普通のドラマとは違う熱量とライブ感を生み出している。

実際、香取と稲垣のシーンでは、観客の盛り上がりと2人の長年の関係性の相乗効果で芝居もヒートアップ。役者としてぶつかり合う2人にグイグイ引き込まれた。

本番は2回収録するのだが、観覧客は変わらない。しかし、観客の笑い声は2回目で落ち着くどころか、増しているようにさえ感じた。緻密な脚本、愛のある演出、役者の瞬発力。素敵なおもてなしから湧き出る上質な"笑いの時間"。この贅沢さはきっと、配信の映像からもにじみ出るはずだ。

『誰かが、見ている』
 Amazonプライム・ビデオで独占配信されるオリジナルドラマシリーズ。物語は、予想もしない失敗を繰り返すフリーターの舎人真一(香取慎吾)と、偶然発見した壁の"穴"から舎人の生活をのぞき見して楽しみつつ、舎人を放っておけない隣人の粕谷次郎(佐藤二朗)を中心に巻き起こるドタバタ劇。この2人と次郎の娘(山本千尋)、次郎の妻(長野里美)、舎人の友人(宮澤エマ)の計5人で物語が展開。そこに稲垣吾郎や高嶋政宏、西田敏行、大竹しのぶ、小日向文世などのゲストが毎話登場する。
 「ただ生きているだけで面白いキャラクター」と三谷が語る舎人は、見た目も行動も独特な謎の人物で、動きだけの1人芝居を6~7分続ける場面も。スタジオに入っている観客の笑い声やリアクションをそのまま収録するといった舞台的演出もあれば、配信の冒頭と中盤、最後には本編から派生した短いブリッジ映像が流れるなど、ハイブリッドなスタイルで制作されている。配信中。全8話。

(ライター 関亜沙美)

[日経エンタテインメント! 2020年10月号の記事を再構成]

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