20年愛せる最高のハンドメイドスーツ、その聖地といえばやはりナポリだ。どれも品質は超一級ゆえ、選びの決め手はそれぞれの個性。各社の“一番の魅力”を解説しよう。
エグゼクティブを魅了する超一流の華
■KITON(キートン)
ブランド創業者のチロ・パオーネは服地卸商の家系に生まれた人物。そんなルーツもあってか、キートンはその仕立てとともに生地表現力の素晴らしさでも語られることが多い。一見ベーシックな紺無地ながら、濃淡異なる糸を織り交ぜて豊かな表情を演出した写真のスーツのように、極めて趣味のよい華があるのが魅力だ。 62万円〈チーフ付き〉(キートン 銀座店)
極限の精緻さが叶える究極の中庸
■CESARE ATTOLINI(チェーザレ アットリーニ)
ビスポーク同様ほぼフルハンドで仕立てられるが、誇張的なところは皆無。カッティングも奇をてらわず非常にオーセンティックだが、いざ袖を通すと驚くほど美しい佇まいを演出する。不世出の天才モデリストであるチェーザレと、最高の手仕事の融合が見せる究極の中庸。それがアットリーニを唯一無二たらしめる秘訣だ。ちなみにこちらはスーパー200'sウールと生地も最高峰。 76万円(ディエトロレクインテ)