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ホルモンのおいしさの秘密は独自のタレ。タレをまぶしたホルモンを低温熟成させるというひと手間をかけている。

「ときわ亭」のホルモンは、東北産の国産豚を使用し、フレッシュさを保ちつつ店舗で使用している。ポイントは独自のタレだ。仙台味噌を中心にした味噌ダレと塩ダレの2種類があるが、肉に味をなじませるためにタレをまぶした肉を0℃前後の低温で熟成させるというひと手間をかけている。ホルモンは鮮度が命と言われているが、「0秒レモンサワー 仙台ホルモン ときわ亭」は、仙台の本家「ときわ亭」から食材供給を受け、鮮度を維持している。

もともと下味をつけているので、基本的にはタレをつける必要がないのが楽だ。食べてみると、独特の食感とうま味が印象に残る。プリプリ、コリコリというより、モッチリした感じだ。

しかも、これが安い。豚の小腸、大腸、ガツ(胃袋)をミックスした「塩ホルモン」は380円。初回限定だが、これを3人前相当にした「大盛り塩ホルモン」は888円だ。店内でも、複数人でこの大盛り塩ホルモンを注文し、焼き網の上にドチャッとのせて焼いている女性グループをよく見かけた。

豚の小腸、大腸、ガツ(胃袋)をミックスした「塩ホルモン」は380円。実にリーズナブルだ

予算は、3000円を切るか切らないかというところ。0秒レモンサワーを延長せずに、サクッと行けば、2000円台で済むだろう。都心の繁華街でこれだけのコスパで楽しめる焼肉店はなかなかない。若者が群がるのも道理だ。0秒レモンサワーの面白さだけではやっているわけではないのだ。

焼き肉業界は、戦国時代に入っている。コロナ禍でも比較的業績が好調で、新規参入が多い。ワタミが既存の居酒屋120店を「焼肉の和民」に転換すると発表したのが象徴的だ。一方で、郊外では席からタブレットで注文してスタッフがサーブしてくれる「オーダーバイキング方式」の「焼肉きんぐ」や関西から関東に乗り込んできた「ワンカルビ」などのチェーンが店舗を増やしている。

焼き肉戦国時代と言われる今、「ときわ亭」の予算は約3000円で、多くのファンをひきつけている。奥が「ねぎ塩たん」(990円)、手前が「ときわ亭 カルビ(タレ)」(790円)

「ときわ亭」はどうしていくのか?

GOSSOの藤田社長は、「ウチは、研究対象として、『安安』『牛繁』『牛角』『ふたご』を意識しています。他社さんのことをいうのはなんですが、『安安』『牛繁』は、もう勢いがない。『牛角』もいまさら感がある。『ふたご』は品質的には悪くないのですが、会計は5000円くらいすぐ行ってしまう。『ときわ亭』の客単価は3000円強。この価格帯で魅力的な店がなくなっていたんです。ウチは飲み放題レモンサワーが60分500円、ホルモンは380円から。リーズナブルさと面白さで、その空白地帯に入ったので成功しました。この路線で走ります」

「焼肉の和民」もこの路線を狙っている。激戦をどこが制するのか、注目したい。

(フードリンクニュース編集長 遠山敏之)


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