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待たせない「0秒レモンサワー」 新鮮なホルモンと

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NIKKEI STYLE

2020年の前半、外食業界の話題になった店の一つに、「0(ゼロ)秒レモンサワー」と仙台ホルモンを売りにした「0秒レモンサワー ホルモン焼肉酒場 ときわ亭」がある。「0秒レモンサワー」って何? という話だが、カウンターやテーブルにビールサーバーのようなタワーが設置されていて、自分で注ぐ飲み放題システムだ。オーダーして待つこと0秒でレモンサワーが飲めるというわけ。これが今、若者に大人気となっている。

1号店は、2019年12月に横浜西口店。オープンするなり、大人気となり、2020年7月には2店目の渋谷店を再開発が進む渋谷駅近くのエリアに開店し、こちらも連日満席の大にぎわいとなった。さらに、新宿三丁目店、武蔵小杉店を開店、近く新小岩店、相模大野店も開店を予定している。

人気はすさまじい。噂を聞いて体験しようと、開店間もない渋谷店へふらっと行くと、17時過ぎで「もう予約で一杯」と言われる。諦めて、別の日に予約をして、開店時間の17時に訪れると、次から次へと客が来る。違う平日の夜、再来店しようと、予約を入れたら、21時半からなら空きがあるという。17時開店で90分滞在とすると、21時半の予約は3回転目か下手をすると4回転目ということになる。最近こんなに景気が良い話を聞いたことがない。

意外なのが、客は若い女性が多いことだ。男女のカップル、仲間同士らしき男女混合のグループが多いが、女性だけのグループや女性のお一人様もいる。平均年齢30歳くらいだろうか。

店内はまさにホルモン店。焼肉店には珍しい白木を基調としたデザインだ。「金色に輝くタワー」がなければ、さほど驚くような内装ではない。それでも客は来る。

その「金色に輝くタワー」こそが、同店名物「0秒レモンサワー」の源泉だ。その仕組みを解説しよう。飲み放題は、60分500円(税別、以下同)。再延長は30分300円で、90分が最大滞在時間となる。氷入りのジョッキを渡され、そこにサワーを注ぐ。テーブルやカウンターの下には、タワーにサワーを供給する機械があり、タワーはそれと直結している。ビールサーバーが下でたる生とつながっていることを想像してもらえば分かりやすいだろう。

面白いのが、サワーに注ぐレモンシロップを選べることだ。王道の「ど真ん中レモン」や、カロリー控えめの「おやじのレモン」、すっぱさを追求した「すっぱいい!!レモン」など10種類があり、そこから2種を選ぶことができる。人気は「ど真ん中レモン」や、「はちみつ仕込み檸檬(れもん)しらっぷ」という。容器に入ったシロップを席に置いていってくれる。

この仕組みが良いところは、シロップの味の濃さを自分で調節できることだ。すっぱい味が好きであれば、多めに入れればいいし、飲んでみてすっぱ過ぎれば、減らすことができる。店にとってもスタッフが作らなくてよくて、お客好みの味を実現できる。これ考えた人は、天才ではないか。

経営するGOSSO(東京・渋谷)の藤田建社長は、「タワーの面白さもありますが、0秒レモンサワーが受けたのは、『ストレスフリー』だからじゃないかと考えています。いちいちスタッフを呼ばなくても自分のペースで飲める。味も自分好みにできる。ストレス社会で、面倒臭いことをやらなくて済むことが評価されていると思います」という。店にとっても人手がかからず、ありがたいことだろう。しかも対人接触を極力避けられるので、withコロナ時代には、うまく合っている。注文もタッチパネルだ。

ちなみに筆者は、焼酎濃いめが好きなので、店長らしき人に「濃いめ、できませんか?」と尋ねたら、グラスに2杯分くらいの焼酎を持ってきてくれた。しかも無料という。取材だと明かしたわけではなかったが、こうしたことができるのも、スタッフの負担が少ないからだろう。

もう一つの売り物である仙台ホルモンも、なかなかのものだ。

実は「ときわ亭」は、仙台を中心に展開する繁盛ホルモン店だ。その人気ぶりを見たGOSSOの藤田社長が展開権を得て、「0秒レモンサワー」を加えて開店した経緯がある。

「ときわ亭」のホルモンは、東北産の国産豚を使用し、フレッシュさを保ちつつ店舗で使用している。ポイントは独自のタレだ。仙台味噌を中心にした味噌ダレと塩ダレの2種類があるが、肉に味をなじませるためにタレをまぶした肉を0℃前後の低温で熟成させるというひと手間をかけている。ホルモンは鮮度が命と言われているが、「0秒レモンサワー 仙台ホルモン ときわ亭」は、仙台の本家「ときわ亭」から食材供給を受け、鮮度を維持している。

もともと下味をつけているので、基本的にはタレをつける必要がないのが楽だ。食べてみると、独特の食感とうま味が印象に残る。プリプリ、コリコリというより、モッチリした感じだ。

しかも、これが安い。豚の小腸、大腸、ガツ(胃袋)をミックスした「塩ホルモン」は380円。初回限定だが、これを3人前相当にした「大盛り塩ホルモン」は888円だ。店内でも、複数人でこの大盛り塩ホルモンを注文し、焼き網の上にドチャッとのせて焼いている女性グループをよく見かけた。

予算は、3000円を切るか切らないかというところ。0秒レモンサワーを延長せずに、サクッと行けば、2000円台で済むだろう。都心の繁華街でこれだけのコスパで楽しめる焼肉店はなかなかない。若者が群がるのも道理だ。0秒レモンサワーの面白さだけではやっているわけではないのだ。

焼き肉業界は、戦国時代に入っている。コロナ禍でも比較的業績が好調で、新規参入が多い。ワタミが既存の居酒屋120店を「焼肉の和民」に転換すると発表したのが象徴的だ。一方で、郊外では席からタブレットで注文してスタッフがサーブしてくれる「オーダーバイキング方式」の「焼肉きんぐ」や関西から関東に乗り込んできた「ワンカルビ」などのチェーンが店舗を増やしている。

「ときわ亭」はどうしていくのか?

GOSSOの藤田社長は、「ウチは、研究対象として、『安安』『牛繁』『牛角』『ふたご』を意識しています。他社さんのことをいうのはなんですが、『安安』『牛繁』は、もう勢いがない。『牛角』もいまさら感がある。『ふたご』は品質的には悪くないのですが、会計は5000円くらいすぐ行ってしまう。『ときわ亭』の客単価は3000円強。この価格帯で魅力的な店がなくなっていたんです。ウチは飲み放題レモンサワーが60分500円、ホルモンは380円から。リーズナブルさと面白さで、その空白地帯に入ったので成功しました。この路線で走ります」

「焼肉の和民」もこの路線を狙っている。激戦をどこが制するのか、注目したい。

(フードリンクニュース編集長 遠山敏之)

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