上位5位までを見ると、「好きなMC」の条件として浮かび上がったキーワードは、「笑い」と「安定感」。ランキング全体を見ても、上位20組に入った人のほとんどに当てはまる共通の要素となっている。特に「笑い」は重要で、「楽しくさせてくれる司会者が好き」(33歳男性)、「ウィットが効いた司会をしてほしい」(39歳男性)などの声が集まった。上位20組中、半数以上の14組がお笑い芸人である状況が象徴するように、テレビにはやはり、多くの人が「楽しさ」を求めていることが分かる。

アンケートでは、「安定感がある人が好き」(42歳男性)という意見も多数あった。1位のさんまは、レギュラー番組の『痛快!明石家電視台』(MBS)が放送開始から30年、『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)が22年。3位のタモリは、『タモリ倶楽部』(テレビ朝日系)が38年、『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)が34年。ほかにも、13位の所ジョージは放送30年を迎えた『世界まる見え!テレビ特捜部』(日本テレビ系)、15位の笑福亭鶴瓶は、25年続く『鶴瓶の家族に乾杯』(NHK総合)、20位のダウンタウンは、昨年30周年を迎えた『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)と、それぞれレギュラーの長寿番組を持っている。これはまさに、「安定感」の賜物だろう。

6位以下を見ると、また別のキーワードも浮かんでくる。まずは「優しさ・温かさ」。18年4月から『あさイチ』(NHK総合)の顔として番組を進行している6位の博多華丸・大吉は、「それぞれの番組に合ったMCをされるので、どの番組を見ても飽きない。ピンでもコンビでも面白い」(47歳女性)という意見があるように、お笑いに徹した番組でも、情報番組の司会者としても力を発揮できる、オールマイティーな存在。急逝した志村けんが、朝ドラ『エール』に初登場した5月には、放送直後の『あさイチ』で、近江友里恵アナウンサーが涙で言葉を詰まらせた際、華丸と大吉の2人が温かいボケとツッコミでフォローして、その優しさに胸を打たれたという人が続出した。

ほかに、10位のバナナマンに対しては、「毒がなくて好感が持てる」(48歳女性)という意見が。「優しい芸人」の代表格であるサンドウィッチマンは、12位にランクインしている。また、ひと昔前は“毒舌”キャラと言われてきた有吉も、現在は小学生に人気が高い『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』(NHK総合)で、中学2年生の田牧そらと共演しており、「そらちゃんとのコンビが好き」(53歳男性)という意見が寄せられるほど、ほっこりしたやり取りを見せている。

上田と後藤は「進行」に定評

正統派の「司会のうまさ」では、7位の上田晋也と、9位の後藤輝基が突出していた。7位の上田は、引退した島田紳助が絶賛していたことでも知られており、アンケートにも「上田さんはいつ見ても展開がうまい」(51歳男性)と、司会のテクニックを高く評価する声が上がった。9位の後藤は有吉と同世代で、上位メンバーの中では比較的若く、好きな理由として「進行の仕方がうまい」のパーセンテージが96%と誰よりも高かった。「自分をネタにしつつ笑いを交えて、ゲストの話を回していくのは、芸人MCならではで、さすが」(40歳男性)と絶賛の声も。有吉に次ぐ存在として、さらなる飛躍に期待ができる。

ベテラン勢の場合は、「自然体」も評価ポイントになりそう。8位の内村光良は、「嫌味がなく、かつ滞ることなく進行していくので見ていて気持ちがいい」(46歳女性)、「ウッチャンは自然体で進行している」(29歳男性)という意見が。17年から3年連続で『NHK紅白歌合戦』の総合司会を担当しており、優しく穏やかに国民的な番組を仕切る手腕が支持を集めている。13位の所についても、「自然な感じで進行するのがうまい。本人のキャラクターに合っている」(43歳女性)との意見が見られた。

このほか、MCとして確固たる地位を築き、レギュラー番組のほか、特番の司会者として引っ張りだこの中居正広は13位に入った。最年少でランクインしたのは、37歳の相葉雅紀。「嵐のメンバーは穏やかで楽しい司会をする」(53歳女性)、「アイドル等、別分野の人が頑張ると印象に残る」(52歳男性)との意見が寄せられ、17位という結果に。また、アナウンサーやキャスター出身は、安住のほか、10位の池上彰、19位の阿川佐和子の3名という結果に留まった。

調査概要:現在活躍しているMCの人気度を測る世論調査を実施
質問項目:編集部がピックアップしたMC232組を対象に、「1番好きなMC」「この1年で最もブレイクしたと思うMC」について当てはまるMCをそれぞれ1組選択。併せて、その理由も各設問の選択肢(5項目)からいくつでも選んでもらった
調査方法:インターネット調査
調査期間:2020年5月7日~22日
回答者:日経BPコンサルティング調査モニターより1000人が回答。日本の人口構成比に近似させるようにウエイトバック集計を行った。男女比は約半々。25~34歳:27.3%、35~44歳:33.7%、45~54歳:39.0%

(ライター 遠藤敏文)

[日経エンタテインメント! 2020年10月号の記事を再構成]

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