家庭料理を極めたい人のための包丁「和 NAGOMI」

三星刃物「和 NAGOMI 牛刀」(1万1000円)。刃渡り20.5センチ、重量約190グラム、440Aモリブデン鋼、積層強化木にステンレス象嵌(ぞうがん)加工

刃物の町、岐阜県関市で140年以上の歴史を持つ刃物メーカー・三星刃物が作った、切れ味が続き、メンテナンスも簡単、主婦からプロまで使っている包丁「和 NAGOMI」。手入れがしやすく、切れ味が長く続く包丁が必要という社長の奥様の考えから、社長と二人で開発したシリーズです。

とにかくハンドルの握り心地に驚きました。プロが包丁を選ぶときに、4つの指標の次に重視するのが、ハンドルの握り心地なんです。1日中使う包丁ですから、ずっと握っていても疲れないことが大切。私が500本以上の包丁を試してきた中で、一番握りやすかったのがこれでした。握りやすさについてうかがったら、ハンドルにこだわり過ぎて、製作してくれるところがなくなってしまい、自社でハンドルの生産ラインを作ったそうです。

和シリーズの牛刀は、刃渡りが20.5センチもある本格派で、握り心地だけではなく、切れ味のバランスも抜群。さびにくく、靭性が強くて硬い440Aモリブデン鋼を採用しているので、切れ味が長続きします。さらに日常使いなら、月に1~2回、新聞紙で数回研ぐだけで、切れ味が長持ちするんです。料理にこだわりたい人でも、プロのように毎日使い終わった後に研ぐのは大変です。和シリーズは、家庭で使うことを前提にしているので、メンテナンスを極力簡単にしているのがうれしいですね。

男のための包丁「エレガンシア」

サンクラフト「エレガンシア シェフナイフ」(2万円)。刃渡り20センチ、重量190グラム、身幅(刃の幅)7センチ、粉末ハイス鋼、真ちゅう、ウオールナット合板

「男の料理」をテーマに作られた、サンクラフト「エレガンシア」。まさに男性のために作られたようなデザインと大きさに驚きました。手の大きな人、男性が使いやすいように刃幅を広く設計し、力を入れやすいように、ハンドルにカーブを付けています。刃の材質は、最高級のステンレス鋼、SG2粉末鋼。摩耗性に優れ、切れ味が長く続きます。

硬度は高く、鉛筆に例えるなら、一般的な包丁がBだとしたら、エレガンシアは6Hくらいの硬さがあります。1本ずつ職人の手によって作られているので靭性も高く、経年変化も楽しめるようにハンドルはウオールナット合板で、口金には真ちゅうを施すなど、こだわりがすごい。刃の先端も極薄で、摩耗しにくく、長く使えるようになっています。

刃の薄さは別格。ハンドル口金には真ちゅうが施されている
写真左から、エレガンシア、旬Tim Malzer、和 NAGOMI、グローバル・イスト。重量級包丁の刃はどれも薄いのが特徴。中でもエレガンシアは、刃元から刃先に向かって極端に薄くなり、刃幅も広く、野性的

料理にこだわりたい人におすすめしたいのは、ずっしりと重く、切れ味が続き、刃渡りが長くて薄い包丁。肉の塊も魚もスパッと切れて、トマトや豆腐のような軟らかい食材も美しい断面になる包丁は、料理を極めたい男性にこそ、持っていただきたい。(談)

(文 広瀬敬代、写真 菊池くらげ)

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