東大出の型破りドクター 開成の運動会で学んだこと武藤真祐・医療法人社団鉄祐会理事長(上)

武藤真祐・医療法人社団鉄祐会理事長
武藤真祐・医療法人社団鉄祐会理事長

東京大学への合格トップ校として知られる中高一貫の私立校、開成中学・高校(東京・荒川)。ICT(情報通信技術)などを活用し、新しい医療に挑む医師兼起業家の武藤真祐氏(49、医療法人社団鉄祐会理事長)は同校の出身だ。東大医学部を経て在宅医療やオンライン診療など革新的な医療サービスに取り組む。型破りのドクターの原点は「質実剛健」を是とする名門進学校で培われた。

4月に開成中学に入学して早々、1年生全員が体育館に集められた。

「うぉ」と突然、複数の男性が押し入ってきました。実は高3の先輩たちだったのですが、とても高校生に見えなかった。髪の毛は茶パツだし、服装もラフ、しかも竹刀を振りかざしていて、危ない大人が来たとしか思えなかった。

開成では4月下旬に筑波大学付属高校との伝統のボートレースがあり、中1はその応援に駆り出されます。続いて5月中旬に運動会があります。その前に「開成人」となるための儀式があるわけです。先輩たちは「お前ら当然、開成の校歌を歌えるよな」と迫ってくるのです。「はい」と答えると、「返事は『おう』だろう」と、大声で怒鳴られ、竹刀で机をバンバンたたく。結局、入学して最初に覚えるのが開成の校歌。都会の進学校に入学したつもりが、体育会系の学校かと驚きました。

もともと田舎のおとなしい少年でした。出身は埼玉県入間郡の毛呂山町。中学受験をする子供はほとんどいない地域です。ただ、両親は教育熱心だった。父は英米文学の大学教授、母は東京の世田谷で生まれ育った人です。「小川宏ショー」というテレビのワイドショーに出演して、「幼稚園児が中学の数学を解ける、天才少年だ」と紹介された。ただ、天才児ではなく、4歳の頃から公文式の学習をコツコツやっていたからです。

医師を志したのは6歳の時です。都内の百貨店で開かれた「野口英世展」に母に連れて行かれたのがきっかけです。素直に野口英世の生き方に感銘しました。田舎の貧しい家庭に生まれながら、努力を重ねて偉業を成し遂げ、異郷の地で倒れた。命を削っても使命に生きる。努力と覚悟の人だと憧れ、医者になろうと決めました。

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