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劇作家・演出家 野田秀樹氏

劇作家・演出家 野田秀樹氏

野田秀樹さんは劇作家・演出家として数多くの演劇を手がけてきた。現在は東京芸術劇場(東京・豊島)の芸術監督も務める。同時に美術大学の教授として、若い役者たちを育てる立場でもある。人を育てる際は「近くで、マンツーマンで」を心がけている。また、野田さんは「責任職や会議が嫌い」だったが、新型コロナウイルスの感染拡大もあって「リーダーシップを発揮しないと」と動き始めている。

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――東京大学在学中に劇団「夢の遊眠社」を立ち上げました。

「演劇を始めたのは高校からですけど、演劇部の部長にはなりませんでしたね。責任職が嫌なんです。横からブツブツ言っている方がいいと思っていたのです。夢の遊眠社では座長を務めていたのですが、自分はどうだったんだろうな、とも思います。ただ、『芝居で食えなくちゃいけない、演劇だけで食べる』、絶対そうしなくちゃいけないとは考えていました。劇団員に少しでも早くギャラを払うとか、そういうことは早くから取り組んでいました」

「今だから言えますが、実はいい役をやった人のギャラが高かったわけではありません。アンサンブル的な役の人でも、身体を思い通りに動かせている人をトップにしていました。もう自分の裁量でしたから。誰も知らなかったと思いますが、その人たちにだけは『お前がトップだからな』って言っていました」

――責任職が嫌なのはなぜですか。

「会議が得意ではなくて。『この会議いらないんじゃないの』と思ってしまうんです。今は正直に言えちゃいます。芸術監督を務める東京芸術劇場でも、最初のうちは会議で配布文書を読み上げていましたが、3回目くらいには『失礼かもしれないけど、今言った内容はここに書いてあるので、わざわざ読み上げる必要はないと思います』と言ったんです。これから何をやるか、どういう流れをつくるかを話し合う会議にした方がいい、と話しました」

「僕がリーダーとして強みがあるとすれば、正直に言っちゃうということですかね。『何か変じゃない?』 と、みんなが気づいているけど、何か言い出しにくい。そういうことを、『変じゃないですかね』と言い出すのが得意かもしれません。これ意味あるのかな、皆気づいているはずだよな、と言ってしまうのは得意技かもしれないですね」

――公共施設の芸術監督の役割は何でしょう。

「2009年に監督職に就きました。前年に話が来たとき、最初は迷いました。それまでも芸術監督や、大学で演劇を教えないかという話もあったのですが、『僕は絶対向いていないから』とずっと断っていたんです」

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