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今年際だった塩系ラーメン 首都圏おすすめの新店2店

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NIKKEI STYLE

すっかり秋めいてきた。現時点では少々時期尚早かもしれないが、本年1月からの新店の動向を振り返ると、今年は特にハイレベルな塩系ラーメンを提供する店舗の誕生が目立つような気がする。本来なら、もう少し面白いその年ならではの特徴があっても良いものだが、コロナで始まり、未だコロナ禍が収束へと向かう兆しがないこの状況下、語るべき特徴がひとつでも見付かっただけでも「良し」とすべきだろう。

そこで今回は最近、首都圏にオープンした塩系ラーメンがおいしい新店の中でも特にオススメの2店をご紹介しよう。「らぁ麺や嶋」(東京・西新宿)の「鰹昆布水つけ麺(しお)」と、「麺屋いとう」(千葉・八日市場)の「芳醇鶏そば塩」である。皆様も「新しい生活様式」をしっかりと守りつつ、ご興味があれば是非、足を運んでみていただきたい。

●らぁ麺や嶋【東京都:西新宿五丁目】

 2020年組新店のMVP最有力候補。特に「鰹昆布水つけ麺(しお)は悶(もん)絶ものの味わい!

6月14日、都営地下鉄大江戸線・西新宿五丁目駅から約徒歩5分という好立地に新店が誕生した。その店舗の名は『らぁ麺や嶋』。店主の盛島博志氏は、神奈川の名店『支那そばや』と、東京・中野の実力店『かしわぎ』のご出身。

『支那そばや』は1986年に「ラーメンの鬼」と呼ばれた佐野実氏(故人)が創業し、現在、神奈川県を席巻している「神奈川淡麗系」と呼ばれるラーメン群の源流のひとつとなったことで知られる。

素材からしっかりと出汁(だし)を採ったスープ、用いる小麦粉の種類にまでこだわった自家製麺など現在、一世を風靡している店主の個性が色濃く表現された「創作ラーメン」の嚆矢(こうし)と位置付けられる歴史的名店だ。

店主のもう一方の修業先『かしわぎ』も、開業から3年余りと、歴史こそ、まだそれほど長くないが、洗練された風味と確固たる個性を兼ね備えた1杯を提供する実力店として知られる。

そんな実力店の下で、仕込みの方法からラーメンの作り方に至るまで、ラーメン職人として必要なイロハを教わった店主が腕を振るう同店。現在、提供されている「醤油らぁ麺」「しおらぁ麺」及び「鰹昆布水つけ麺」は、いずれも素晴らしい完成度を誇るが、中でもおススメしたいのが、塩バージョンの「鰹昆布水つけ麺」だ。

「ラーメンづくりにおいて、私が最も大切だと考えているのは、手を抜かず、一つひとつの工程に手間を加えること」と盛島店主はいう。どれだけ手間を惜しまず作っているかは、厨房での所作をみれば一目瞭然だ。例えば、チャーシュー。提供する直前に豚肩ロースと豚バラ肉を、一枚一枚七輪の上でひっくり返し、備長炭で丁寧に炙(あぶ)る。用いる備長炭も火力が弱い海外産でなく、高火力が得られる国産高級品を惜しげもなく使う。全てはチャーシューがまとう炭の薫香を最大限演出するための工夫である。

そんな厨房の光景を眺めながら、待つこと数分。提供される「鰹昆布水つけ麺(しお)」は、淡い黄金色を放つ透き通ったスープ、褐色の鰹昆布水に浸され丁寧にたたまれたストレート麺、小皿に盛り付けられた香ばしいチャーシュー&塩といった陣容。一目見ただけで、これはただものでないことが分かる一杯に仕上がっている。

岡山県産の山水地鶏、山梨県産の信玄鶏など数種類の鶏に、海の幸(本枯れ節・ゴマサバ・白エビ・貝柱など)を加え、それらのうま味を一つひとつ丁寧に折り重ねた出汁は、すべての素材の持ち味を最大限引き出し、まさにうま味の坩堝(るつぼ)といっていい。

「実食時に、各種素材が放散するうま味が最大値をたたき出せるようにする。そして、そのような状態に持ち込むためにはどうすれば良いかを演繹的に導き出していくのです」。「鰹昆布水つけ麺(しお)」はもちろん、『嶋』のラーメンは、すべてこうした方法で作られているという。開業して日が浅い新店の店主とは思えない合理的な考え方に、もはや脱帽するほかない。

規格外なのは出汁だけではない。「しょうゆはしょうゆらしく、塩は塩らしくあるべきだ」との思いから、このタイプの淡麗塩つけ麺の中では桁外れに塩ダレが存在を主張する構成になっていることも、特筆に値する。

スープに合わせる太ストレート麺は、柳枝のようにしなやかで、スープをしっとりと絡めとる店主の修業先『支那そばや』の謹製。その啜(すす)り心地の良さたるや、一度体験すると病みつきになる。

「一生涯、満足することなく、ラーメン作りの腕に磨きを掛けていきたいですね。自分のラーメンに満足した瞬間、職人としての成長は終わってしまいますから」

現時点で、既に今年の都内最優秀新店の座を手中に収めつつある『らぁ麺や嶋』。可能であれば、複数回足を運び、「しおらぁ麺」「鰹昆布水つけ麺(しお)」の両メニューも完食してもらいたい。

●麺屋いとう【千葉県:八日市場】

 牧歌的な九十九里の地に革命が勃発。うま味と甘みの競演で味覚を酔わせる絶品塩! 

次にご紹介するのは、8月15日に千葉県匝瑳(そうさ)市内にオープンした『麺屋いとう』だ。同店のロケーションは、『嶋』とは打って変わって、のどかな場所にある。最寄り駅からの距離は、『嶋』と同じく徒歩約5分だが、こちらはJR東日本総武本線の八日市場駅。千葉県の九十九里エリアに位置する、1日当たり乗降客1800人程度の小さな駅だ。

同店の店主・伊東正義氏も、都内の実力店で研さんを重ねたすご腕。同氏の修業先である『麺屋一燈』『煮干しつけ麺 宮元』と言えば、いずれも、都内を代表する錚々(そうそう)たる実力店。両店で6年間にわたりラーメン作りの要諦を習得し、満を持して店主の地元・匝瑳市へと凱旋した。

同店が提供するラーメンは、「最先端を走る実力店で培った技術で、お世話になった地元の方々へと恩返しがしたい」と、食べ手を選ばない淡麗系(「芳醇鶏そば醤油」「芳醇鶏そば塩」「煮干しそば」)が中心。修業先で提供されているラーメンとはジャンルが異なる一杯で勝負を挑む。

中でも、特にオススメが「芳醇鶏そば塩」。出汁は、千葉県産の『水郷赤鶏』と『錦爽どり』のガラと丸鶏のみから採る、いわゆる「水鶏(みずどり)系」。それに、干しシイタケと昆布の滋養味をしっとりと溶け込ませた塩ダレを加え、香り高い親鶏の鶏油を合わせた、比較的シンプルな構成のスープだが、口の中で膨らむうま味、広がる甘みの分厚さが尋常ではない。鶏と乾物のうま味成分が完璧にバランスしてこそ、実現可能な珠玉の味わいだ。

「大したことはしていませんよ。ただ、地元である千葉県に貢献したいので、スープに用いる素材は、千葉県産ものが中心です」と笑う。

このスープに合わせる麺は、都内を代表する名門製麺所のひとつ『三河屋製麺』のストレート。ツルンと滑らかなのど越しが、心地良い食べ口を約束する。

「匝瑳は、こういうタイプの淡麗ラーメンになじみが薄い地域なので、オープン当初は不安もありましたが、最近では、足しげく通ってくれる方々が徐々に増えてきました。受け入れられてきたなぁという実感があります」と店主。

私にしてみれば、そんな店主の言葉は謙遜にしか聞こえない。舌上で際限なく広がる上質な甘みが、食べ手に鮮烈な印象を刻む1杯。『麺屋いとう』が、遠からぬ内に、九十九里エリアはおろか、千葉県を代表する人気店へと成長を遂げるのは間違いない。

(ラーメン官僚 田中一明)

田中一明
1972年11月生まれ。高校在学中に初めてラーメン専門店を訪れ、ラーメンに魅せられる。大学在学中の1995年から、本格的な食べ歩きを開始。現在までに食べたラーメンの杯数は1万4000を超える。全国各地のラーメン事情に精通。ライフワークは隠れた名店の発掘。中央官庁に勤務している。

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