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世界経済フォーラムが毎年開催する年次総会(ダボス会議)のテーマを掘り下げた

世界経済フォーラムが毎年開催する年次総会(ダボス会議)のテーマを掘り下げた

新型コロナがもたらした世界的な危機を人類はどう乗り越えていけばよいのか――。今回紹介する『グレート・リセット ダボス会議で語られるアフターコロナの世界』(藤田正美、チャールズ清水、安納令奈訳/前濱暁子監訳)は、スピード感をもってこの問題の本質を捉えようと試みた一冊だ。世界経済フォーラムの創設者が、国際的に評価の高いメディア運営者と共同で執筆。今年7月に緊急出版し、このほど日本でもその翻訳が出版された。政治・経済・社会を広く視野に入れた危機の分析を通じて、私たちに「何ができて、何ができないのか」を判断する材料を与えてくれる。

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クラウス・シュワブ氏

クラウス・シュワブ氏

著者の一人、クラウス・シュワブ氏は1938年独ラーベンスブルグ生まれ。世界経済フォーラムの創設者で、現在も会長を務めています。フライブルク大学で経済学博士号、ハーバード大学ケネディ行政大学院で行政学修士号などを取得。世界的ベストセラーとなった『第四次産業革命 ダボス会議が予測する未来』(日本経済新聞出版、2016年)の著書があります。

ティエリ・マルレ氏

ティエリ・マルレ氏

もう一人の著者、ティエリ・マルレ氏は1961年、パリ生まれ。グローバル企業のトップやオピニオンリーダー、政策決定者向けに簡潔な予測分析を提供するオンラインメディア 『マンスリー・バロメーター』を創設、代表を務めています。フランス国立社会科学高等研究院(パリ)と英国オックスフォード大学セント・アントニーズ・カレッジで、経済学と歴史学の修士号ならびに経済学博士号を取得しました。投資銀行、シンクタンク、学界や政府機関でのキャリア経験を持っています。

マクロとミクロで分析

「グレート・リセット」は世界経済フォーラムが毎年開催する年次総会(ダボス会議)のテーマです。本書の目的は、新型コロナウイルス感染症がインパクトを与えているさまざまな領域で「何が起ころうとしているかを理解するための指標となること」です。まず、問題の全体像をつかむために「飛ぶ鳥の目線」で状況をながめることからスタートします。

人類はこれまで、様々な感染症のパンデミック(世界的な大流行)、あるいは大きな戦争、経済恐慌などの試練に直面してきました。それらに比べて、今回の危機の破壊力はどの程度なのかを把握します。その上で「ポスト・コロナの世界がどのようなものになるのか、あるいは、どのようなものになるべきなのか」という問題意識を軸に、さまざまな予想やアイデアを盛り込みました。

「ニューノーマル(新常態)」を整理して読者に提示するために、著者は章を3つに分けて話を進めます。最初の章では、「マクロ」の視点からパンデミックが与えるインパクトを分析します。主要なマクロカテゴリーは(1)経済、(2)社会、(3)地政学、(4)環境、そして(5)テクノロジーです。第2章は「ミクロ」を取りあげます。特定の業界や企業が受ける影響です。そして最後の章では、個人レベルでどのような影響を受けるのかを予測していきます。

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