藤士 30年という長い期間でみれば物価は上昇していたといえます。そうであれば、寿命が年々延びて、人生の時間がより長くなっている磨音さんのような世代の老後まで含めた期間で考えると、友達が「危険」と言うのもわかるような気がします。27歳の磨音さんの平均余命は約61年(出所:厚生労働省「令和元年簡易生命表の概況」)ありますからね。

磨音 61年!? 気が遠くなる……。早くさっきの「インフレに負けずに自分のお金も増やしていく」方法、教えてもらいたくなりました。もしかしてそれが……。

藤士 はい、その一つの方法が投資です!

磨音 でも、なぜ投資なんですか?

藤士 まず、株式はインフレに強い資産ともいわれています。それぞれの企業の株式の価格、つまり株価は一般に、その企業の半年や1年先といった少し先の売り上げや利益の増減予想や世の中の経済状況といったものを織り込んで、需給によって変動していきます。インフレでモノやサービスの値段が上がれば、企業の経費ももちろん増えるものの、売り上げや利益が増えることが予想されますよね。そうなれば、インフレが株価の上昇に反映される可能性があるわけです。要は、株価はインフレなどの世の中の動きに応じて変動していくのです。

磨音 そこが預金と投資の違いなんですね! 世の中の動きに敏感というか。株式ってファッションとかの流行に似ているみたい!

藤士 そうなんです。だからこそ、投資は流行に敏感な女性に向いているともいえます。ちなみに、今回は株式でお話ししましたが、必ずしも株式で運用しなければならないわけではありません。

磨音 まだ気になる点があります。私は今のところ相手さえいないのですが、これから結婚や出産などで生活が変わるかもしれないのに、どう投資していけばよいのでしょうか?

藤士 大切なポイントですね。では、次回は磨音さんの場合、どのような投資をしていけばよいのかをお話ししていきましょう。

■藤士のワンポイントアドバイス
平均寿命と平均余命
「平均寿命」と「平均余命」、よく似ている言葉ですが、どこが違うのでしょうか? 「平均余命」とは「ある年齢の人が平均であと何年生きるか」という期待値です。「平均寿命」とは0歳の人の平均余命です。このため、「今から何歳まで生きるのか?」を見るには平均余命が適しています。平均寿命は0歳の人の平均余命であるため、若くして亡くなる人もその中に含まれるからです。現在発表されている平均寿命は女性は87.45歳、男性が81.41歳。平均余命は、例えば35歳の女性は53年なので、35歳+53年で88歳まで平均で生きる計算になり、平均寿命よりも0.55年長くなっているのが見て取れます。そのほかの年齢の場合は表のとおりです。

「老後のためにも、若いときから投資・資産運用を」とよくいわれますが、初めての人にとってはわからないことだらけ。様々な疑問について会話形式でやさしく解説します。

■中里邦宏
ファイナンシャルプランナー(CFP)、マネーディアセオリー株式会社取締役副社長。上場メーカーで設計担当後2004年にFP事務所を開業、16年に法人設立。顧客が納得するまでシミュレーションを繰り返すライフプラン相談を中心に、資産運用教育、ライフプランツールのプランニング、ロジック提供なども手がける。日本証券アナリスト協会検定会員、1級FP技能士、DCプランナー1級。