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配信トークイベント いとおしい後輩たち(井上芳雄)

第79回

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NIKKEI STYLE

井上芳雄です。10月5日に『井上芳雄 The Amazing3』と題した配信トークイベントを開催しました。第1部は海宝直人君と相葉裕樹君、第2部は田代万里生君と平方元基君を迎えて、それぞれ1時間ほどのトークを繰り広げました。ミュージカル俳優なのに歌はなくてトークだけというのが今回のチャレンジ。ポジティブなエネルギーでトークを盛り上げてくれた後輩たちが、いとおしく思えた時間でした。

このトークイベントは、僕のラジオ番組『井上芳雄 by MYSELF』(TBSラジオ)から派生したもの。コロナ禍で番組にゲストを呼べなくなってトークができないので、だったらミュージカル俳優でトークだけの配信番組をやってみてはどうでしょうかという提案が、ディレクターの秋山瞬さんからありました。ミュージカル俳優の配信イベントは、トークをして数曲歌うというパターンがほとんど。トークだけはチャレンジングですが、逆に面白いかもと思い、不安がありつつも挑んでみました。

そうなるとキャスティングが重要。ゲスト2人と僕という組み合わせが前提だったので、第1部(17時開演)はあまりしゃべったことがなくて、どうなるか予想がつかない2人をゲストに呼んで、第2部(19時開演)はしゃべり慣れているというか、おなじみのメンバーにするのはどうかと考えてオファーしたら、4人とも快諾してくれました。

第1部の海宝君と相葉君は、今どんどん経験を積んでいる新進気鋭の若手。そんな業界の仲間がどういう気持ちで、どんなことを考えているのか知りたいという興味がありました。でも、僕は稽古場でも初めての人にがんがん話しかけていくほうではないし、いきなり話が盛り上がるかどうか不安で、緊張して当日を迎えました。結果は2人とも協力的で、とてもやりやすかったです。

海宝君とはちゃんとしゃべったことがなかったのですが、丁寧な受け答えで、終始にこやかに対応してくれたのがうれしかったですね。「先生と呼ばれがち」と言ってましたが、本当にそんな感じ。小さいころからミュージカルが大好きで、子役から舞台を経験しています。ミュージカルに囲まれて育ったという点では、僕もそう思っていたのですが、もっと上をいってる感じで、すごいなと。稽古場で緊張するという話や海外の演出家デヴィッド・ルヴォーがかけてくれるすてきな言葉の話は、僕も同じ経験をしているので共感できました。オーディションを受けて役を勝ち取ってもいるので、きっとガッツがあるし、野心も秘めているのでしょうが、トークでそこまで切り込めなかったのは、MCとしての力不足だと後で反省しました。どこまで突っ込んでいいか、まだ距離感がよく分からなかったので多少の遠慮があったかもしれません。次に話すときは、もっとがんがんいけると思います(笑)。

相葉君は、同じ事務所の後輩なので話したことはありましたが、やはりちゃんとしゃべるのは初めて。「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」をきっかけに芸能界入りして、ミュージカル『テニスの王子様』で本格的に俳優を始めたそうです。近年ブームの2.5次元ミュージカルは僕も関心があるので、お客さまがキャラクターに忠実であることを求めるから大劇場でのミュージカルとは頑張り方がまた違うといった話は面白かった。僕が唯一知っていた、彼にまつわる事務所内でのネタを話したのをきっかけに、「自分はネガティブに考えがちなんです」という発言が出てきたので、ああ、実はそういうキャラクターなんだと。イケメンなイメージとのギャップが意外でした。MCの立場からすると、キャラクターがはっきりすると、そこを押したり引っぱったりすればいいから、すごくありがたいんです。それから、知らなかった彼の一面がどんどんトークで出てきて、楽しかったですね。

そんなふうに第1部は手探りしながらのトークでしたが、第2部はおなじみというか、『エリザベート』などで共演していて、僕のコンサートには毎回ゲストで出てくれている万里生君がいたので、ガラッと違う雰囲気でした。彼と平方君は同じ事務所で顔見知り。2人とも準備万全というか、いきなりテンションが高くて圧倒されました。

平方君は、ミュージカル『ローマの休日』の初日が終わってから駆けつけてくれました。福岡出身で僕と同郷。ちゃんと話したことはなかったのですが、コロナ禍で自粛中のころ、夜中に電話をくれたことがあるんです。最初からミュージカル俳優をめざしていたわけではないこともあって、この業界でどんなふうにやっていけばいいのか考えていたとき、僕と話してみたいと思い、万里生君に番号を教えてもらったそうです。僕に興味を持ってくれていることがうれしかったし、「もっと頑張りたい」という気持ちがすてきだと感じました。そんなことがあって今回声をかけたら、快く出演してくれました。トークでは、そんないきさつや、スカウトされたきっかけなんかを話してくれました。初めて聞く話も多かったです。

電話での相談事のような、ある意味シリアスな話って、考えてみたら、公演の打ち上げで隣の席になったとき、だいぶ深い時間になって「実は……」と切り出すようなことかもしれません。でも今はコロナ禍で打ち上げもないし、あってもみんなとしっかり話せるわけでもない。半ば強制的に話をふられるトークイベントという場だからこそ、飲み会の3次会くらいの内容までいけるんだということを今回発見しました。酔っているわけじゃないからちゃんと話せるし、それで見ている人が喜んでくれるのなら、一石何鳥にもなるなと。

万里生君は、毎回そうなのですが、すごく準備をしてきてくれるのがありがたい。今回も幕開けのテンションが高すぎて、なぜそこまで?と驚きました。与えられた場に精いっぱい応えようという気持ちの表れだと思うので、頼もしい限りです。基本はまじめだと思うのですが、まじめすぎて突き進んでいくあまり常軌を逸するタイプじゃないのかな(笑)。きっとまた絡む機会があるでしょうから、今度は彼のそんな部分を掘り下げていきたいものです。

ゲストの4人には、トークの後半で同じ質問をしてみました。ミュージカル俳優は歌と踊りと芝居の3つができないといけないけど、自分が好きだったり、得意だったり、興味があったりするのはどれか。順番をつけてもらいました。もちろん本当は順位付けするものじゃないし、3番をないがしろにしているわけではなく、一番大切だから難しいと思っているところもあるでしょうから、そこを踏まえて受け取ってほしいのですが、結果はこうです。海宝君は1番が歌、2番が芝居、3番が踊り。相葉君は1番が芝居、2番が歌、3番が踊り。万里生君は1番が歌、2番が芝居、3番が踊り。平方君は1番が芝居、2番と3番が変わらないくらいで歌と踊り。ちなみに僕は1番が歌、2番が踊り、3番が芝居。

僕も歌を学んできたし、ミュージカルというと音楽が押し出されがちですが、それだけじゃないという点では、平方君と相葉君が芝居を1番にしたのはとてもいいなと思いました。今回はいなかったけど、踊りが1番の人もいるでしょうし。僕たち俳優同士でも、例えば、この人は踊りが得意だけど歌が苦手だと思ってるんだとか、芝居の経験がまだ少ないと思ってるんだ、という根っこの部分を分かっていた方が、お互いにやりやすい面もあるはず。いろんな人がいて、多様なミュージカル界であった方が絶対にいいし、それにはお互いの違いを認め合うことがまず大事なので、それを知るという意味でも、興味深い質問だったのではないでしょうか。

本当はお互いをもっと知りたいけどシャイ

配信トークイベントのMCを初めてやって分かったのは、とにかく声を張るということ。普通の大きさの声でもいいのかもしれませんが、自分のテンションが高く保たれてないと成立しない気がしたので、ずっと声を張っていました。やる前は、歌わないので少しは楽な仕事なのかなと思っていたのですが、自分のスイッチをオンにして、トークにリアクションして、拾って、突っ込んで、という1時間を2回やるのは、実は大変なことでした。その分、MCとして話を回すのはすごく面白いし、やりがいもありました。

それができたのも、トークを盛り上げてくれた後輩たちのおかげ。感謝しています。みんなポジティブなエネルギーを持っているし、普段から協力して舞台をつくっているから、同じゴールに向かっていくパワーが強くてやりやすい。同時にシャイなところもあって、僕もそうですが、人に見られているというスイッチが入った方がしゃべれることも、実はたくさんあるんだなと。そのシャイな面と、本当はお互いのことをもっと知りたいという気持ちの両方が見えて、みんなをいとおしく感じました。とても人間らしくて、だからこそ好きになるし、見ている人にもそれが伝わっているとうれしいですね。

井上芳雄
 1979年7月6日生まれ。福岡県出身。東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。大学在学中の2000年に、ミュージカル『エリザベート』の皇太子ルドルフ役でデビュー。以降、ミュージカル、ストレートプレイの舞台を中心に活躍。CD制作、コンサートなどの音楽活動にも取り組む一方、テレビ、映画など映像にも活動の幅を広げている。著書に『ミュージカル俳優という仕事』(日経BP)。

「井上芳雄 エンタメ通信」は毎月第1、第3土曜に掲載。第80回は2020年11月7日(土)の予定です。

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