長州力がおちゃめさ全開 新ブラックサンダーの異色CM売れるCMキャラクター探偵団

日経クロストレンド

ブラックサンダーのWebCMキャラクターに起用されたのは長州力
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有楽製菓(東京都小平市)のチョコレート菓子「ブラックサンダー」のリニューアルをWebCMでアピールするのは、元プロレスラーの長州力。初のラウンドボーイ役となってリニューアルを硬軟交えた表情で訴え、ネットで話題に。力強さとおちゃめさを兼ね備えた長州力でブランドの原点回帰を狙った。

今回のキャラクター:長州力
■商品:ブラックサンダー
■企業:有楽製菓

<クリエイターズファイル>
■クリエイティブディレクター+PRプランナー:曽根拓真(イニシャル)
■クリエイティブディレクター:佐藤佳文(電通)
■コピーライター+プランナー:森田隼司(電通デジタル)
■アートディレクター:辻岡翔(電通)
■プランナー:池映理子(電通デジタル)
■PRプランナー:宇野達平、新田祥子、佐藤純平(イニシャル)
■プロデューサー:木村和真(ノースショア)
■演出:戸塚富士丸(EPOCH)
■撮影:上原宏光(井村事務所)
■出演:長州力(リキプロダクション)/森本竜馬(NEXT GATE)/晶羅(NEXT GATE)

<Web制作>
■Webディレクター:須永祐介
■ディレクター:山口明、千種莉奈
■フロントエンドエンジニア:石井佑典

往年のマイクパフォーマンスにおちゃめさプラス

「ラウンドボーイ長州力」として、ブラックサンダーをモチーフにした衣装でリングに登場した長州力。新しいブラックサンダーをご機嫌で紹介するも、新旧ブラックサンダーの違いを分かっていないとやじが浴びせられ、ついにキレまくる。往年をほうふつさせる力強いマイクパフォーマンスを披露したかと思えば、かわいくキャンペーンの紹介をする途中、長い説明でかんでしまう――。硬軟交えて長州力の魅力が満載の動画に、SNS上もヒートアップ。

往年をほうふつさせる力強いマイクパフォーマンスも披露

有楽製菓の「ブラックサンダー」が2020年9月にリニューアルし、そのPRキャラクターを務めたのがなんと長州力。テレビCMではなくWeb限定のプロモーションだが、ツイッターアカウントのフォロワーは50万人以上の長州力とあって、話題性は抜群だ。

ブラックサンダーが誕生したのは1994年。製造する有楽製菓は、もともとはウエハースの製造販売を手掛けていた。当時発売していた「チョコナッツスリー」よりも、重い食感のお菓子を作ろうと開発されたのがブラックサンダーだ。

「中小企業として大手に負けないため、枠にはまらないユニークな夢のある製品を作る」(河合辰信社長)というモットーから生まれたブラックサンダーは、シリーズ全体の年間販売本数が2億本を超え、チョコレート菓子で4年連続売上個数ナンバーワンという不動の地位を築いた。発売当初の「1個30円」という価格を、今日まで据え置いてきた企業努力が実ったともいえる。

主な購入層は30~40代のビジネスパーソン。食べきりやすい大きさで、残業のお供や軽い朝食代わりとして重宝されているという。以前はコンビニでついで買いする人が多かったが、コロナ禍で外出自粛やリモートワークが増えたため、スーパーで販売している大袋の売り上げが例年以上に伸びている。

だが、ブラックサンダー人気が順風満帆だったかというと、そうではない。発売当初は鳴かず飛ばずで、翌年には販売停止にまで追い込まれた。それでも九州を担当する営業部員が、「手応えを覚えていたので、もっと売りたいと当時の専務(現会長)に直談判した」(同社マーケティング部課長の加藤武史氏)。その情熱が実り、次第に認知が広がった。

以降、五輪にも出場した体操選手がファンを公言したり、当時フィーバーしていた「生協の白石さん」が紹介したりしたことで全国の生協やコンビニで取り扱われるようになり、一躍全国区の人気を手に入れた。その後は「義理チョコ」といえばブラックサンダーを想起させるような奇策に打って出るなど、話題性とともに売り上げを大きく伸ばした。

とはいえ、現在の10代は当時のブラックサンダー旋風をほとんど知らないため、「以前ほどのブームは実感できていない」と加藤氏は話す。何とか若い層にもブラックサンダーの魅力を伝えていこうと、25周年を迎えた19年には同じく25歳のタレント・Matt(マット)を起用したWeb動画を配信した。狙い通り若年層の注目度は高かったが、「最大の魅力であるおいしさへの訴求が弱かった」(加藤氏)。

そうした課題を受け、リニューアルで大きく変わったザクザクという食感や、チョコレートの風味を高めた味など、お菓子としての魅力を前面に押し出すことにした。そこで白羽の矢を立てたのが長州力だった。なぜ彼を選んだのか。

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