Men's Fashion

2020秋冬の新作総点検 スーツ・ジャケットの見どころ

トレンド

2020.10.25

MEN'S EX

毎日をつつがなく過ごすことが今、一番大切ではあるけれど、そろそろ楽しいことがしたい。だから、今こそ服好きの心を呼び戻そう。袖を通すだけで気分が上がる刺激的な新作を着て、平坦な日々に喝を入れようじゃないか。




TOPICS(1)世界最注目の“英伊折衷”が遂に上陸

新世代のテーラード好きが立ち上げたショップやブランドが世界中で台頭している昨今。中でもジェイク・グランサムとアレックス・ピロウニスが創業したアングロイタリアンは、世界で最も注目されているブランドのひとつだ。ともに香港の「アーモリー」出身で、リヴェラーノやチッチオなどの仕立て服を愛好してきた二人が手がけるコレクションは、ブランド名のとおり英伊折衷の魅力が際立つ。極めて英国的で控えめな生地使いだが、美しいノボリとソフトな肩、裾まで通したフロントダーツはナポリの注文服のような趣。それでいて土着的な要素を巧みに中和し、クリーンな佇まいにまとめているのが特徴だ。この超注目株が今季初上陸。スーツ好きなら絶対見逃せないトピックだ。

ANGLO ITALIAN(アングロイタリアン)

スーツ26万円/アングロイタリアン(伊勢丹新宿店) シャツ3万8000円/リングヂャケット ナポリ(リングヂャケットマイスター206 青山店) タイ1万8000円/ニッキー、靴8万2000円/クロケット&ジョーンズフォー ユナイテッドアローズ(以上ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店) チーフ3800円/ビームスF(ビームス 六本木ヒルズ) ラックに掛かったスーツ(左端)26万円、ジャケット各20万円/以上アングロイタリアン(伊勢丹新宿店)

ロンドン出身のジェイク(左)と、イタリア生まれで英国の大学を卒業したアレックス(右)。ブランド名は“英国系イタリア人”という意味。

スパッラ・カミーチャ(いわゆるシャツ袖)で仕立てられた肩周り。英国ブランドではまず採用されない仕様だ。こういった細部からも彼らの国際的なセンスが窺い知れる。

TOPICS(2)“ワークMIX”という休日スーツの新たな形

今年1月に訪れたピッティで、ドレイクスのクリエイティブディレクター、マイケル・ヒルが着ていたスーツがとても印象的だった。詳細を訊くと、「これは次の秋冬に発売予定のサンプルなんだ。カジュアルでいいでしょ? 僕のお気に入りなんだ」とのこと。果たして日本展開なるかと楽しみにしていたところ、めでたく発売決定となったのでここにご紹介したい。「ゲーム(狩猟)ブレザー」という名前だが、むしろワークテイストを感じさせるのが新鮮な一着だ。ピークトで上までボタンホールが開いたラペル、パッチポケット、そして綿麻素材を裏地なしの一枚仕立てにした軽快さが特徴で、寛いで着る休日着にぴったり。ありそうでなかったミクスチャーがなんとも魅力的だ。

DRAKE’S(ドレイクス)

ジャケット8万9000円、パンツ4万8000円/以上ドレイクス(ドレイクス 銀座店) ニット2万2000円/ルトロワ(八木通商)

1月のピッティで撮影したマイケル・ヒルのスナップ。左の色違いを着こなしている。イタリア製の本格仕立てゆえこのように休日タイドアップを楽しむのにも向いた一着だ。