Men's Fashion

ボタンダウン 見栄えのカギは襟のロール 映像で解説

1からはじめる装いの教科書

2020.10.17

メンズスタイルの基本を分かっていれば、クールビズやテレワークなど、あらゆるシチュエーションで装いを決められる。ニューノーマル(新常態)にもスマートに対応できるはずだ。「服の着こなしもファッションも、ビジネススキルの一つ」と捉えるファッションディレクター、森岡弘さんとともに、ワンポイントで変わる着こなしのテクニックや小物の選び方などを、映像を交えて解説していく。今回は「ボタンダウンシャツの着こなし」だ。




ファッションディレクターの森岡弘さん

この夏、クールビズのノーネクタイのスタイルで重宝したのが、ボタンダウンシャツ。襟先をボタンで留めることで、滑らかな曲線のロールが生まれ、立体的な襟元をつくるので、ジャケットを着なくてもさまになった。

さて、ジャケット着用の季節になり、利用も減ってきそうだが、「いやいや今こそ、ボタンダウンシャツでしょう」と森岡さん。「スーツやジャケットにはネクタイが基本。ノーネクタイでアイテムを1個取るなら、1個足さないといけない。ボタンダウンは引いたものを補ってくれる。ボタンダウンシャツはジャケットに合わせやすく、年齢や体型を問わず着こなしをカバーしてくれる。選べる種類も多く、オンでもオフでも使いやすい。今こそ持っておきたいマストなアイテム」と森岡さんは太鼓判を押す。

森岡流ボタンダウンシャツの着こなし

ボタンダウンシャツの装いで重要なのが襟のデザインだ。襟の高さや開き方など、いろいろなバリエーションがある。

「ファストファッションのブランドなど、傾向としては小さな襟のタイプが増えている。小柄な方や細身の方にはいいかもしれないが、丸顔や大顔の人にはどうか。もっと襟を大きくすればいいのにとアドバイスしたくなることもある」という。

森岡さんがすすめるのは、襟の大きなタイプだ。

1 後ろ襟の高さが4~4.5cmあたりのタイプを選ぶ

襟が大きい方が、より首回りの立体感が際立ち、ジャケットとのバランスがよくなる。特に年配の人は、立った襟が首のたるみを隠してくれるので、若々しく見える効果もある。

2 ボタンは白かシャツと同色のものにする

カラーボタンのシャツをジャケットに合わせるのは難しい。「カジュアルな装いではいいが、ビジネスではNG。ただ、カラーボタンもコーディネートの1つになってかっこよく見えることもある。例えばネイビーのジャケットに白いボタンダウンシャツを合わせ、襟のボタンがネイビーというのはあり。しかし、これは全体のバランスがとれ、シルエットもばっちり決まっている上級者に限られる。ボタンは白か地色のカラーが基本で、妙に目立ったりしない方がいい」という。ボタンホールのカラーのステッチも同様だ。

3 襟が寝ないようロールを整える

カラーボタン同様、おしゃれな人のなかには、ボタンダウンシャツの襟ボタンをはずして着ている人がいる。これもだれにでもできる着こなしではない。ジャケットやパンツなど、トータルで装いが決まっている人なら、わざと崩してもさまになるが、そうでない人がやると、だらしない装いになってしまう。特にビジネスシーンではやらないほうがいい。

「やはりボタンダウンシャツは、立った襟が魅力。洗濯したあとなど、襟が寝ないように指でロールを整えることも忘れないでやってほしい」と森岡さん。「ボタンダウンシャツはできるだけオーソドックスなタイプを試してほしい」とアドバイスする。

森岡弘(もりおか・ひろし)

 グローブ代表、 ファッションディレクター&スタイリスト 早稲田大学卒業後、婦人画報社(現ハースト婦人画報社)入社、「メンズクラブ」編集部に所属。退社後、株式会社グローブを設立し、著名人のスタイリングや広告のファッションディレクションなどを手がける。講演も多数。NIKKEI STYLE Men's Fashionの夏の装い直前講座のトークショーにも出演した。2020年からYouTubeで「森岡弘の着分は上々」を配信。

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