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頼られる人材や外部ネットワークを持つ人材はニーズが高い(写真はイメージ) =PIXTA

頼られる人材や外部ネットワークを持つ人材はニーズが高い(写真はイメージ) =PIXTA

前回の記事「激変する働き方 今後10年のキャリア構築、ポイントは」では、今後10年のキャリア構築のポイントとして、「いつでも自立できる準備をすること」を提案しました。今回はさらに踏み込んで、これからの10年に求められる人材像を考えてみたいと思います。データサイエンス、人工知能(AI)、ロボティクスなど、人口減少に歯止めがきかない中で世界中がデジタルトランスフォーメーション(DX)を強化していく中で、求められる人材像はどう変化していくのか。皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

<<激変する働き方 今後10年のキャリア構築、ポイントは

「どんな人材が求められるか?」という本題の前に、「どんな人材がキャリア構築の落とし穴にはまってしまうのか?」をまず整理します。

結論を言うと、過去の経験にしばられた思考を持つ人は、これからのキャリア構築に相当な苦労をされる可能性が高いと思います。特に多いのが、「過去の経験値の延長線上で、自分の価値を推しはかろうとする」人。時代の変化で、経験やスキルの市場価値が変化していく中で、個人としての自負と市場の評価にギャップが出てきてしまうと、マッチングは相当厳しくなってしまいます。

次に、退職を考える理由が「報酬や権限、人間関係の不満」という人。受け身な態度になればなるほど、市場価値が目減りしてしまうので、納得できるキャリアチェンジができる可能性は徐々に減っていくと思われます。

「慣性の法則」から抜け出さなければ生き残れない

最悪の場合、いざ転職活動を始めたときに、「自分の経験を生かせる職場はどこでしょうか。希望年収としてはこれまでの年収水準は維持したいのですが」というように、自分が提供できる価値を横に置いたまま、自分の「値付け」を先行させることになり、企業との心理的な隔たりまで、大きくなってしまいかねません。

また、正常化バイアスがマイナスの影響を及ぼすこともあります。たとえば、家電メーカーに長く勤めていた人から転職相談を受けたときの話なのですが、転職を考えた理由は「日本の家電業界全体が競争力を失い、沈下傾向にあること」であるにもかかわらず、転職先の希望業界は「これまでの経験を生かせる家電業界で、いい会社があれば教えてほしい」という回答。業界全体の課題を十分に知っているはずなのに、いざとなると、どこかに見逃したオアシスがあるのではないかと思ってしまう。自分が矛盾していることにも無自覚になってしまう典型的な正常化バイアスです。

このような「慣性の法則」から抜け出し、ゼロベースで今後のキャリアを考えなければいけないのが、これからのキャリア形成の特徴です。

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