「コロナ後、スーツはもっと自由になる」鴨志田康人氏

2020/10/13
オリーブのスーツにピンクのシャツ。ゆるく結んだネクタイ。絶妙な色合わせを得意とする鴨志田康人さん
オリーブのスーツにピンクのシャツ。ゆるく結んだネクタイ。絶妙な色合わせを得意とする鴨志田康人さん

コロナショックの巣ごもり期間中、服の整理をしたという話をよく耳にする。そこで再発見した「忘れられたお気に入り」の数々。ワードローブに長年眠っていたゆったりシルエットのシャツが新鮮にみえたり、今着たくなるダブルジャケットが見つかったり。リモートワークが浸透し、おしゃれの優先順位は低くなったかもしれないが、「今こそが、本当に着たい服を見つめ直す好機」だとファッションディレクターの鴨志田康人さん(オフィスカモシタ代表)は言う。ポール・スチュアートの日本におけるディレクターで、このほど発表した2021年春夏コレクションラインでは「Old is New」をテーマに、遊び心あふれるカジュアルアイテムを提案する。日本の男性はこれからファッションとどう付き合っていくのか。鴨志田さんの考えを聞いた。




自粛生活で… 男の服の「価値」再確認

――長い自粛生活の間に服を整理した人が多くいます。

「僕もすごく整理しました。捨てるものがこんなにあるの、と驚きました。えてして洋服の仕事をしている人は、自前の服を捨てずにアーカイブとして取っておくことが多いんです。価値のあるものはもったいないし、いま見てもいいな、と思うものは古着店に売りました。その古着店を見ていて感じますが、80年代はルーズフィット気味のシャツなど、今の気分に合うアイテムが多い」

「色だったりフォルムだったり、メンズはとくに、ちょっとしたディテールの差が時代を映しています。処分しようかどうか真剣に手持ちの服を見直していくと発見がいっぱいあって、すごく楽しかった。そうして、ずっと着続けたい服はこういうものだなってことが、改めて分かりました」

「アンコンジャケットはダブルが新鮮だと思います」

「自分が作ったもの、買ったもの、バイイングしたものも含めて、クオリティーのいいもの。時代を超越したデザインのもの。当たり前なんだけど、男の服はそこに良さがあることを思い知らされました。そして、そういう服を作っていかないといけない立場なんだと痛感しました。これからはカジュアルアイテムでも、年齢も時代も問わず、ずっと着続けられるようなものを作りたいなって」

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