老後資金が不安なら まずは公的年金を増やそう

2020/10/13
写真はイメージ=PIXTA
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人生の三大支出といわれるのは、子どもの教育費、住宅購入費、老後資金。このうち、教育費や住宅の購入費は人によっては不要なこともありますよね。それに対して老後資金は、誰にとっても必要です。

ある保険会社が最近行ったアンケート調査では、20代、30代でも8割以上が「老後のことが不安」と回答しており、最も不安なのは「お金」だとしています。不安はほうっておいても解消されないので、不安と向き合って何らかの対策を立てておきましょう。そうすれば、老後のお金の不安から自由になることができます。

では老後のお金をどう考えればよいのでしょう。今回は老後資金の柱となる公的年金を取り上げます。

老後資金の柱は公的年金

世の中を騒がせた「老後資金2000万円」問題。「そんなに多額のお金が必要なの!」と驚いた人もいるかもしれません。でもよく考えてみてください。65歳まで働き、老後の生活が95歳までの30年間で、毎月の生活費が20万円だとしたら、20万円×12カ月×30年で7200万円という計算になります。必要なお金は2000万円よりずっと多いのです。

それなのになぜ2000万円ですむのかといえば、差額の5200万円は公的年金として国から支払われるから。老後の生活を支えてくれるのは、公的年金なのです。

「国の年金はあてにならない」とか「公的年金はいずれ破綻する」などといわれているのを見聞きすることがあるかもしれませんが、これらに根拠はありません。雑誌やネットのニュースはネガティブな見出しのほうが人目を引きやすいので、そうやって不安をあおっているのです。

新聞などをよく読んでいる人だと「年金積立金の運用がマイナスになった」というニュースを目にして不安になったことがあるかもしれませんが、これも日本の公的年金制度を知っていれば、心配しなくてもいいことがわかります。

日本の公的年金は、現役世代の払っている年金保険料を、現在の高齢者が年金として受け取る仕組み。「賦課方式」といって、現役世代が高齢者世代に仕送りする形なのです。現在は少子高齢化で現役世代より高齢者のほうが多くなっていることから、年金の財源のうちの半分に税金が充てられています。

多くの人は、自分が払った年金保険料が積み立てられて、それを将来自分が受け取ると思っているようですが、そうではないのです。

ニュースの話に戻って「年金積立金」が何かといえば、かつて現役世代が多く高齢者が少なかった時代にあまった保険料を積み立てたもの。それを年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)というところが運用しています。運用ですからプラスになるときもあれば、マイナスになるときもあるのですが、なぜかプラスになったときは報道されず、マイナスになったときだけ大きく取り上げられるんですよね。これもネガティブなもののほうが人目を引くからでしょう。

ちなみに、年金積立金の運用成績はこの20年間の平均で年率2.97%、累積収益額は70兆円にのぼっています。

公的年金は2つある

では、公的年金の仕組みを見てみましょう。細かい部分はとても複雑ですが、基本となる部分はシンプルなので、そこだけ押さえておけばOKです。

公的年金は2つあります。1つは20歳から59歳までの人が全員加入して保険料を払う国民年金、もう1つは会社員などが加入して勤務先と半分ずつ保険料を払う厚生年金です。

国民年金から受け取る年金の額は、国民年金に加入していた月数に応じて決まります。最長480カ月で、480カ月分保険料を払った人が65歳から受け取れる年金額は約78万円(2020年度価格)です。

会社員などで厚生年金に加入している人は、国民年金に上乗せして厚生年金からも年金が受け取れます。厚生年金から受け取る年金額は、厚生年金に加入していた月数と、その間に受け取った給料・ボーナスの額によって決まります。長く加入していたほど、また加入期間中の給料・ボーナスが多いほど、受け取れる年金額が多くなります。

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