アラフォーに合った身なりとは?
女優、美村里江さん
40歳が近づくにつれて、「アラフォー」という言葉に過敏に反応するようになりました。おしゃれやメークを楽しもうとしても、それが自分に合っているのか、若作りしているように見られないかなど、周囲の視線が気になり、迷ってしまいます。どうすればいいでしょうか。(奈良県・30代・女性)
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多くの同世代が深く共感するお悩みと思います。私もその一人です!
まず、あくまで私自身の観察結果ですが、感覚的な好みは20代後半から30代前半のまま維持されます。ところが、顔を含む肉体は時々刻々と変貌していっているので、ここにギャップを覚え、年齢相応さに不安を覚えるのではないかと。
プロのスタイリストやメイクの方々にこの件をうかがうと、結局、そこを埋めていくのは「センス」であり、こればかりは実体験で磨いていくしかなさそうです。
私も3年ほど前から、シーズンごとに似合わなくなった服の「再チェック」をしています。1年前の秋にはしっくりきていたシャツが、たった10カ月で似合わなくなってしまう! 次のシーズンまでもたない。その都度買い替えていては、経済的にも厳しいですよね。
年齢に惑わされない、肌色や骨格を基にしたスタイリングやメイクの診断が人気あるのもうなずけます。一度依頼してみるのもよいと思います(ただ、この類のセンス系仕事は腕前に大きく差があるので、慎重に調べて選んでください)。
さて10年という意味では同じはずの10代後半から20代前半、20代後半から30代前半に、相談者さんは同じことを考えていました?
私の記憶では、当時は心の新陳代謝も早く、「好み」を肉体の変化に合わせていくのが楽しかっただけです。迷いは少なかったなと改めて思います。
ところが30代後半になると、おそらく仕事に慣れ、自分の長所短所も把握できます。大きなショックを受けたり、飛び上がるほど喜んだりすることも少なくなり、ごくごく安定しているのではないでしょうか。
この安定(=停滞)が心を占めているため、好みと肉体の距離が加速度的に開いて、見た目への迷いのもとになっているというのが「美村説」です。
心(=脳)は新しい体験が好物です。ときどき刺激を受け、あとは中身が見た目の正解を作り出してくれると期待しましょう。
お互いに内外相応なアラフォーを目指しましょう!
[NIKKEIプラス1 2020年10月10日付]
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