デジタル化の恩恵「自由な生活スタイル選べる」自民党衆議院議員・小林史明さん

小林史明(こばやし・ふみあき)氏 1983年生まれ、広島県福山市出身。NTTドコモ勤務を経て、2012年の衆議院議員総選挙で自由民主党から立候補し、初当選。 現在3期目。
小林史明(こばやし・ふみあき)氏 1983年生まれ、広島県福山市出身。NTTドコモ勤務を経て、2012年の衆議院議員総選挙で自由民主党から立候補し、初当選。 現在3期目。

日本経済新聞社(東京・千代田)と女性向け動画配信のC Channel(Cチャンネル、東京・港)が立ち上げた働く女性を応援するメディア「newme」。金融や政治など各分野のプロフェッショナルをゲストに招き、従来の概念にとらわれない生き方を選ぶために必要な情報を提供していきます。今回のテーマは「政治」で、ゲストは自民党衆議院議員でデジタル分野の規制改革などに取り組んでいる小林史明さん。楽天の携帯電話事業参入や話題の5Gなど、デジタル化が社会に与える影響について聞きました。

なぜ楽天は携帯電話事業に参入できたのか

――携帯電話料金に注目が集まっています。最近は楽天の携帯事業への新規参入が話題ですが、この背景について教えてください。

「もともとの問題意識から確認しましょう。まず1つは、携帯電話料金が高止まりしているということ。仮想移動体通信事業者(MVNO)や格安スマホが出てきて選択できるようにはなってきましたが、それでも携帯料金は下げ止まっています。国民のみなさんにも我々としてもそうした意識があり、どうやったら料金が適正なものになるのかということを検討していました」

「もう1つは次世代通信規格(5G)やIotなどを活用して次の時代の新しいサービスを生み出していくことが求められてきているということ。これらを考えた時に、新しいプレーヤーに入ってきてもらうことが重要だったんです」

――携帯電話事業に新規参入するためのハードルと、それをどう乗り越えたんですか。

「携帯電話事業者になるには電波を使わないといけません。電波って不動産の世界でいう『土地』に近いんです。決められた範囲があって、その中をうまく使って通信するので、ある『土地』(電波)を誰かが使っているとそこは使えないんです。基本的に携帯電話としてはすでにいっぱいいっぱい使っていたので、新しいプレーヤーが入る余地がありませんでした」

「そうしたところに国が保有していた防衛省が使っていた電波を、別のところに引っ越しをするのでよかったら使いませんかということになり、これによって新しいプレーヤーが入れるようになったんです。そこに楽天が手を上げたのが新規参入の背景です」

5Gが変える社会

――5Gによって私たちの生活にどんなメリットがあるのですか。

「3つ特徴があると考えています。1つは『高速大容量』で、通信がとても速くなります。これはよく言われていることですが、たとえば映画の動画データが数秒でスマホにダウンロードできるようになりますね」

「2つ目は『多数接続』といって、たくさんの端末と接続できるようになります。だいたい今だと、1個のアンテナに10個のセンサーとつなげることができるわけですが、これが1000個つなげるようになるイメージです。これで何が起きるかというと、たとえば部屋中のライトにセンサーがついていて、どこの空間が温度が高いかとか『あの人が暑そうだ』とかがわかると、そこだけエアコンの温度をちょっと下げたりすることができます。そうすると生活がものすごく便利になりますよね」

「3つ目が『低遅延』。今でも電話などの通信は100分の1秒ぐらい時間が遅れています。物理的に距離が離れているからなんですが、5Gになるとそれが1000分の1のずれになります。これで何ができるかというと、たとえば東京都内でロボットの手を動かす操作をすると、沖縄県で1000分の1秒の差で実際にロボットを動かすことができます。そうすると、たとえば建設機械を遠隔で操縦することができたり、もしくは手術も遠隔ですることができたりするようになるわけです。これが実現できれば、住む場所にとらわれずに仕事ができるようになりますよね」

チャンスは「地方」にあり

――デジタル化で便利な社会になる一方、人の仕事がなくなるのではという懸念もあります。

「日本は今、人口がどんどん減っていっている状況です。人手不足解消のためにロボットやテクノロジーが入っていくことになるでしょう。こうした中で何が起きるかというと、そもそも人が減ると、一人ひとりの価値が出てきますよね。個人にとってはチャンスが広がると思います。しかもそれは都会にいないと活躍できないかというとそうではなくて、好きな場所で生活をし、便利に遠隔医療を受けながら、仕事もバリバリできる。自然も近いとなると、それはより幸せな生活につながるのではないかなと思います」

「これからは地方に多くのチャンスあると思います。なぜならビジネスは基本的には『課題を解決する』ことによって『対価』をもらうものです。ということは、課題がたくさんあるところにチャンスがあるわけです。そうすると、地方の方がまだITが使われていなかったり、東京では当たり前の仕事が浸透していなかったりするので、変わる余地が大きいのです」

「確かに東京は人もたくさんいてエンターテイメントもたくさんある楽しい場所です。一方で『満員電車が大変』とか、もっとアウトドアスポーツを日常的にやりたいという人もたくさんいるでしょう。そういう人も、これからは住む場所にとらわれず、自由に生活スタイルを選べる時代になると思います」

(この企画は日経とC Channelが共同で展開しています)

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