眞島秀和 40代からの躍進「託されるって、うれしい」

日経エンタテインメント!

振り幅の大きい役にやりがい

大学時代に友達の影響で俳優の道を志し、99年に『フラガール』(06年)で知られる李相日監督の映画『青~chong~』で主演デビュー。以降、数多くの映画やドラマに出演し、その数は他の追随を許さない。20年のキャリアがあるなか、俳優活動の礎になるような作品はあったのか。

(写真:橋本勝美)

「特に印象に残っているのは、『スウィングガールズ』(04年)です。ずっと自主映画をやっていたんですが、その頃事務所に入って、なんでしょう……。この世界で生きていくっていうことがよく分からないなかで、どうやったら仕事が増えるんだろうとか、そんなことばかり気にして煮詰まってたんですよね。心が折れかけてたときに、矢口史靖監督に救ってもらったというか。方言指導のスタッフとしても入って、脚本作りから参加させていただいたんです。その現場がすごく楽しくて。みんなでものを作っていくことがやっぱり好きだと、改めて思えた現場でした。

NHKのドラマ『海峡』(07年)も転機になりました。それまでやってきた作品のなかでは、1番役柄を生きた時間が長くて、幸運な出合いでした。最近だと間違いなく『隣の家族は青く見える』と、『おっさんずラブ』です。この2作品は注目度が高かったので、これまでにない反響を感じましたね。

僕は昔から、自分の年齢でできる役をというのがベースにあるんです。そういう意味では、今回の『おじさんはカワイイものがお好き。』みたいな作品が出てきているのは、うれしいことですね。意識したことはなかったけど、これは乗っからないと(笑)。

同年代の同業者に思うことは、みなさんが活躍してくれると、こちらももらえる役の幅が広がるなって。例えば、滝藤賢一君が演じる人物の会社の同僚みたいな役があったら、できそうじゃないですか(笑)。それこそ、大河ドラマの『麒麟がくる』では、主演の長谷川博己君が演じる明智光秀と同年代の、細川藤孝役をいただけて。

最近は重厚なものからコミカルなものまで、役の振り幅が大きいのでワクワクしますし、俳優として非常にやりがいを感じてます。『わー、どうしたらいいんだろう』って悩むことも多いですが、そういう1つひとつを『楽しい』に変換しながら向き合っています。

若いときは『辞めたい』とか『大きな役をやりたい』とかあったけど、今はもう、そういうのはないです。今後もずっと役がいただけたら。これが自分の仕事ですし、とにかく続けていきたいです」

(ライター 内藤悦子)

[日経エンタテインメント! 2020年9月号の記事を再構成]

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