2020/10/26

――大学卒業後は教育サービスの企業に入社しましたが、6カ月で退職されています。

一つ目の理由は、関心の変化。個人に寄り添いたいという思いから個人向けサービスを担当していましたが、実際に仕事をするうちに、企業に働きかけるサービスに関心が移ったことです。2つ目は環境。もともと20代はがむしゃらに働こうと決めていたのですが、いざ入社してみると、想像していた以上にビジネスの仕組みができ上がっている会社で、刺激が足りませんでした。学生時代に最後まで悩み、内定辞退をした大手人材サービス企業へ就職した同級生がバリバリ働いている姿をみて、このままじゃダメだ!と思ったのです。

相談できる人がいない 早期退職の実情

――会社を辞めたとき、不安や焦りはありませんでしたか?

それは焦りましたよ。これからどうしよう……って。誰に相談していいかもわかりません。親や友人にも相談しにくいのですよね。若いから転職は簡単って思われるかもしれませんが、早期退職だと相手にされないのです。社会人半年だと、そもそも応募要件に満たないところばかりでした。求人情報を見ているだけでは進まないので、最終的には、思い切って気になる会社に直接連絡することにしました。選考は進んではいたもののスケジュール的に内定をいただく前に、退職日を迎えることになってしまったので、万が一、不採用になってしまったら、どうなるのだろうと。すごく怖かったですね。

キャリア相談の振りかえりの様子=HRラボ提供
インタビューの途中ですが、ここで早期退職の問題を整理したいと思います。それは、相談者がいないこと。大学は卒業してしまっているので、キャリアセンターやゼミの教員からアドバイスをもらうこともできません。また、新卒の同期は、それぞれ目の前の仕事に必死に頑張っているので、退職の相談をしにくいのです。

 そこでみなさんは、次の二つのことを忘れないようにしてください。

(1)早期退職は、キャリアの否定ではない、ということ。会社とのミスマッチは、誰にでも起こりうることです。もし、そのような状況におかれたら、自らを否定するのではなく、これからどうしていくかを落ち着いて考えるようにしましょう。

(2)キャリアの相談相手をつくっておくこと。これからのキャリアについて日ごろから考え、キャリア関連のコミュニティに足を運んでおくと、そのような時に親身になって相談に乗ってくれます。実際、塚田さんは会社に直接交渉をして、採用コンサルティング企業への入社に至りましたが、早期退職のプロセスで感じた問題点や心理的負担については、「私だけの問題ではなく、誰もが直面する問題」として向き合っていかなければならないと強く感じるようになったとのことです。

――なぜ今、キャリアコンサルタントを支援するサロンを運営しているのですか?

自分のようなキャリア迷子を助けるサポートがしたいからです。迷子の渦中にいるときは、心理的に結構しんどいのです。今振り返ると、自己分析や企業リサーチが甘かったと反省ですが、私が早期退職を考えた時には、とにかく、相談できる人がいませんでした。「キャリアコンサルタント」という職業も今ほど知られていませんでした。定期的に相談する必要はないかもしれないけど、本当に困ったときに相談できる人がいる、そういう仕組みが用意されていることが大事だと思います。

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自己分析で「夢」にばかり目を向けないで