ただ私を含め母校愛が強いOBが多い。都市伝説のような話ですが、東武鉄道が手掛けた東京スカイツリーの高さは634メートルで、ムサシと読める。もともと武蔵は東武グループの創業者一族の根津家が創った学校。東武鉄道社長の根津嘉澄さんも武蔵出身だ。これは余談ですが、選択肢つきの期末テストの解答も6、3、4と答えが並ぶケースもよくあった(笑)。

武蔵の同級生は約180人で、開成高校(定員400人)や麻布高校(同300人)と比べると、小規模な学校。それでも当時は東大合格トップテン校の常連だった。同級生の半分近くは東大に進学した。

私が進んだのは東大の文科2類(経済学部に進学)。恥ずかしながら、進学先も授業をサボってもなんとかなるという安易な理由で決めた。受験勉強というのは一種のテクニック、過去問題を何度か繰り返すとか、要領良くやればなんとかなる。ただし、研究志向の同級生のように物事を真剣に考えるという意味では遅咲きだった。本気で考え、行動することを覚えたのは社会人になってからです。

しかし、答えを考えるのではなく、まず問いを考える習慣というか、癖は武蔵時代に身についた。武蔵は自調自考という教育ですから、常に「なぜ」という問いからスタートする。問いを考えるのはリーダーにとっては大事な仕事です。「利益を出すにはどうしたらいいのか」というのは経営者には共通の課題。ただ、利益ばかりにとらわれていたら、見逃す問題があるかもしれない。正しい問いは組織にとっての成功の定義かもしれないし、存続そのものが目的かもしれない。そもそも、利益を上げる方法も短期、中長期など設定期間によっては答えが変わってくる。

今も会社の課題は何だと、いや、そもそもその課題設定そのものは正しいのかと何度も自問している。様々な視点で問いを考える習慣は、経営にあたる上ですごく役立っている。武蔵では授業をサボってばかりいたが、そこだけは身についたとすごく感謝している。

(代慶達也)

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