話題の「社員間ボーナス」 立役者は25歳の演劇部OGFringe81グループマーケティング戦略室長 柳川小春さん

Fringe81で「Unipos(ユニポス)」などのマーケティングを担う柳川小春さん(柳川さん提供)
Fringe81で「Unipos(ユニポス)」などのマーケティングを担う柳川小春さん(柳川さん提供)

従業員同士が感謝の言葉とともに報酬アップにつながるポイント「ピアボーナス」をネットで送り合える仕組み「Unipos(ユニポス)」。すでにメルカリなど410社超が導入したFringe81(フリンジハチイチ、東京・港)のサービスだが、その開発段階から関わり、マーケティング責任者も任されているのが25歳、入社4年目の柳川小春さんだ。チャレンジを支えるのは、わかりやすく明確な言葉で語る姿勢と、一人ひとりの仲間の強みを引き出す力。演劇部経験やユニークな塾講師との出会いによって培われたという。

同社のUniposカンパニー社長の斉藤知明さんは、柳川さん抜てきの理由に「自分の行動・考え方についての説明能力」と「目標から逆算して、今やるべき施策を考える力」を挙げた。「彼女の提案に対しどんな質問をしても、明確な答えが返ってきます。『あ、それは考えていませんでした』なんてことがない。結果を出すまでの道筋を明確に描いているから、安心して権限委譲できる」

ひとり遊びに没頭

柳川さんは小学校時代、内気で家でひとり遊びばかりしていたという。特に好きだったのが紙芝居や、人気玩具「シルバニアファミリー」のキャラクターを使った物語をつくることで、誰に見せるでもなく没頭した。セリフをそらんじるほど大人向けのテレビドラマに夢中になったこともある。いつしか脚本家を夢見るようになった。

ひとり遊びが好きだった幼少期(柳川さん提供)

フェリス女学院中学・高校(横浜市)では演劇部に入った。ところがそこは上下関係が厳しく、脚本担当は部活の最終学年となる高校2年までお預けだった。「しかもひとり遊びばかりして超マイペースだったので、周囲の足を引っ張って怒られてばかり」。4年間は裏方に徹した。物事をテキパキこなすにはどうしたらいいか、限られたリソースをどう配分し、チームでどう動くか。それらを常に考えるクセがついた。上の学年と下の学年に挟まれ「中間管理職の苦労も味わった」。

待ちに待った高校2年生。脚本を練りあげながら、部員一人ひとりの得意・不得意を見極め、どんなキャスティングにするか考え抜いた。「この子にこの役をやらせれば絶対に輝く」と配役した部員が、晴れ舞台で120%の力を爆発させたのを見て、涙が止まらなかった。「マネジメントする立場になった今は、いかにメンバーの特性や得意なことを引き出し、力を発揮してもらえるかに心を砕く。その醍醐味を知ったのはあの頃の経験から」と話す。

高校の演劇部で演出をしたときの柳川さん(中央、柳川さん提供)

部活引退後、それに代わるようにハマったのが選択科目の小論文。第1志望の一橋大学の受験科目ではなかったが「面白い!」と打ち込んだ。もともと文章を書くのは好きだったが、小論文を学ぶことで論理的に説明するスキルが養われた。

この時期、もうひとつ大きな出会いがあった。受験で必須の数学は大の苦手で、大手予備校の授業にはついていけそうもないと困っていたところ、友人からある学習塾を紹介された。ホームページをのぞくと「公式・解法 丸暗記。点数とって褒められて……あなたはそれで満足ですか?」という1文が飛び込んできた。ビビッときた。

その塾の数学講義は、目からうろこの連続だった。見たこともない問題を前にしたとき、どの公式が使えるかを考えるのではなく、まずは実験してみようというアプローチ。例えば「n」に1をあてはめ、2をあてはめ、と順に試していきながら、自分で法則を見つけ出し、解にたどり着く。「それまで白黒でしか見えてなかった数学の世界が急にフルカラーになった、というくらいの衝撃」だった。

数学の成績自体は思うように伸びず、一橋大の受験本番では「5問のうち1問しか解けなかった」ものの無事合格。塾に報告に行くと「1問しか解けなかったんじゃなくて、1問解けたから受かったんだよ」と笑顔が返ってきた。難題にぶちあたっても諦めず、自分の頭でとことん考える楽しさを教えてくれたその先生は青木純二さん。現在は東進ハイスクール・東進衛星予備校で教える青木さんとは、社会人になった今も時間を見つけては飲みにいく。柳川さんが「私のロールモデル」と話す存在だ。

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