数ミリ単位で微調整を繰り返すこだわり

スマホが置きやすい角度や、ペンの出し入れがしやすい角度にはかなり気を使った。同商品では、最初に厚紙などで模型を作り、組み立てたときの使いやすさ、折り畳んだときの収まりの良さなどを細かく検証した。スマホやペンにもさまざまなサイズがあるため、より多くの商品に対応できるようにしたかった。

検証を繰り返すうちに、数ミリメートルの違いで、使いやすさにも大きな差が出ることが分かった。スマホを安定して立てかけられる角度、ペンを出し入れしやすい角度などを探し、数ミリ単位の微調整を繰り返した。模型だけでも30個ほど制作したという。

スマホやペンを収納するへこみや穴の位置調節には特に気を遣った。厚紙などで30個ほどの模型を制作し、ベストな形状を探っていった。画像は模型の一部

19年8月中旬に発売したチェアオーガナイザーも、思いがけずテレワーカーの注目を集めた商品だ。オフィスチェアに取り付けるタイプで、クッション部分と小物入れ部分が分かれている。クッション部分はオフィスチェアの座面に固定し、小物入れ部分は椅子の横に吊り下げて使用する。事務小物をまとめて取り出しやすくし、デスクを広々と使用できるため、建設作業員の腰袋や美容師がはさみなどを入れるシザーケースをイメージして開発したという。

チェアオーガナイザーは、クッション部分と小物入れの部分が分かれており、取り外して使用することも可能だ。グレーとネイビーの2種展開で、価格は3400円
単独でバッグインバッグとして使用したり、クッション部分と小物入れ部分を組み立てて卓上小物入れにしたりもできる

また、クッション部分と小物入れ部分の連結を外せば、単独でバッグインバッグとして使うことも可能。さらに、クッション部分と小物入れ部分を固定して組み立てることで、自立する卓上小物入れとしても使用できる。

withコロナ時代の多様な働き方にマッチ

同シリーズを作るに当たってこだわったのが、使用する素材選びだ。素材そのものはシリーズによって違っているが、カラーはどれもグレーとネイビーで統一した。さらに、高級感のある素材やカラーを選ぶことで、どんな空間にもなじみ、いつもと違う場所でも気持ちよく仕事ができるようなイメージにした。

例えばデスクオーガナイザーでは、天然皮革に近い質感のPU(ポリウレタン)レザーを使用し、上質な印象にしている。安心して持ち運べるよう耐久度にも気を使った。

「オリパクトシリーズの開発当時は、主にオフィスやカフェでの使用を検討していて、自宅での使用は想定していなかった。しかし、テレワークで『自宅の仕事環境を整えたい』と考えた人が増え、まずは身近なデスク周りからと注目してもらえたようだ。緊急事態宣言中も営業していたホームセンターやECサイトで購入してもらうことが多く、緊急事態宣言中は一時的に売り切れることもあった」(ナカバヤシの広報IR室・西浦弘史郎氏)

オリパクトシリーズは、従来のターゲットであるフリーアドレスのオフィスやシェアオフィスで働く人々に加えて、テレワーカーの心もつかんだ。場所にとらわれず快適な仕事環境をつくるという考え方が、withコロナ時代の多様な働き方にマッチしたのだろう。

「バッグスタンド」(2400円)と、「オフィスキャリングトート」(2700円)。カラーはどちらもグレーとネイビーの2色展開。バックスタンドは、二つ折りでA4サイズに畳める。オフィスキャリングトートは、底板を取り外せば畳めるという

(ライター 近藤彩音)

[日経クロストレンド 2020年9月30日の記事を再構成]

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