「部屋見せて」 オンラインでも絶えない就活セクハラ就活探偵団

イラスト=強矢さつき
イラスト=強矢さつき

選考やOB・OG訪問など学生の就職活動における性的嫌がらせ(就活セクハラ)。選考での優位な立場をちらつかせ迫る卑劣な行為に一部の学生は悩まされてきた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で就活の舞台が主にオンラインに移った今も、残ったままのようだ。

都内私大4年の早川美咲さん(仮名)は3年生の時、学内で開かれたあるメガバンクに勤めるOB・OGによるセミナーに参加した。就活について相談する中で、早川さんは1人の女性行員と対話アプリ「LINE(ライン)」の連絡先を交換した。

その後数回セミナーに誘われ、銀行業や同行の業務内容を学んだ。4月のある日、本命の大手自動車メーカー総合職の内定を得た早川さんは、数日後に控えていた同行人事との面談を辞退するために、その女性行員に連絡した。

4カ月以上やりとりを重ねてきた女性行員は辞退を受け入れてくれただけでなく、「心からおめでとう」「これからもよろしく」と他社への内定も祝ってくれた。

しかしその直後、LINEで一通のメッセージが届いた。本文は「見納めに早川美咲をお届けしました」と記され、なぜか自分のプロフィル写真が添付されていた。

「見納め?」早川さんは目を疑った。震える手で送り主である女性行員に返信した。「送り先の間違いでしょうか」。その途端、写真とメッセージは削除され、続けて「大変申し訳ありません」との謝罪メッセージが届いた。

どうやら早川さんの写真を行員同士で共有しようとしたようだった。しかも、同性だからと気を許していた女性行員までもが加担して。早川さんが「心外だった」と憤ったのは、そのことだけではない。女性行員は「早川さんのきれいな容姿にファンが多かった」と明言したのだ。業界研究や企業分析、自己PRなど一生懸命就活に打ち込んできたのに「見た目で評価されていたのか」と、早川さんは落胆した。

新型コロナウイルス禍で就活でも企業説明会やセミナーなど対面の場は少なくなりオンラインが中心となったが、セクハラは根絶できていない(写真は2019年3月の合同説明会)

別の都内私大の3年生、中野芽生さん(仮名)は今夏、友人を通じてある外資系の男性社員と知り合い、OB訪問した。

最初は喫茶店で会い、30分ほど企業や業界について話を聞いた。その後「サマーインターンの対策をしてあげる」と男性から連絡があり、再度会うことにした。

指定されたのは夜、都内のイタリア料理店。男性はシャンパンのボトルを注文し、お酒を勧めてきた。はじめは就活に関わる話題だった。しかしお酒が進むと「どんな人がタイプ?」など恋愛の話が中心になった。

2時間ほどたった後、店を出た。男性は酔っていて、手をつないできたり、ハグをしてきたり。「今からホテルに行かない?」「付き合ってほしい」。途切れなく投げかけられる誘い。気持ち悪かった。「明日朝早くバイトが入っているので」とウソをつき、なんとか振り払った。「別荘にこないか」。男性からは今でも連絡が来るという。

中野さんはほかに別の会社の男性2人からも頻繁に食事の誘いを受けたという。「OB訪問って本当に面倒くさい。こういうことがあると企業のイメージが下がる」とあきれ顔だ。

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