ワーママ管理職 メリット思い浮かべチャレンジを

2020/10/14
「SMART STORAGE!」の代表としてスタッフを束ねる鈴木尚子さん
「SMART STORAGE!」の代表としてスタッフを束ねる鈴木尚子さん
日経DUAL

仕事面でもっと欲張りになりたいけれどチャンスや新しいことについ「しり込み」してしまっていませんか? ライフオーガナイザーとして多くの人の整理収納を改善し、「SMART STORAGE!」の代表として活躍を続けている鈴木尚子さんに、仕事で挑戦を続けるために大切な心構えやスキルを聞いていきます。今回は「管理職」がテーマです。

私らしいマネジメントでいいと思えるようになり、管理職を受諾

こんにちは。「SMART STORAGE!」の鈴木尚子です。

私の講座に通ってくれていた受講生の話です。彼女は夫と同じ職場で働いていて、夫が先に管理職に昇進しました。何年も前から彼女にも昇進の話があったのですが、夫の様子を見ていると、とても大変そうだし自分には向いていない。一家に二人も管理職がいたら大変なことになるのではと思って、ずっと断っていたそうです。私の講座に参加したのはそんなときでした。

彼女は温かみのある人柄で、周りに配慮ができていつも冷静。この人が上司だったら、スタッフをうまくまとめられるだろうなと思わせる発言が多く、他の生徒たちからも「あなたのような人が管理職になったら、楽しく仕事ができそう」という声が上がっていました。

すると彼女は次第に「『管理職とはこんな人』というイメージがあって、自分には向いていないと思っていた。けれど、私なりのやり方でいいのかもしれない」と、管理職に対する固定観念を変えていきました。そして、何度も断ってきた管理職の話を受けたそうです。

全国の企業と事業所を対象に、管理職に占める女性の割合を調査した結果は、部長相当職では 6.9%、課長相当職では 10.9%、係長相当職では 17.1%にとどまっています(厚生労働省「令和元年度雇用均等基本調査」より)。係長相当職も8割以上の管理職が男性なのです。多くの人が男性管理職の下で働いていることになります。それぞれの人が持っている管理職のイメージは、自分が一緒に仕事をした上司に左右されることが多いでしょうから、自然と男性管理職の働きぶりが影響するでしょう。となると、「自分はあのようにはできない、向いていない」と思ってしまうこともあるのではないでしょうか。

講座の彼女も恐らくそうだったのでしょう。でも、自分の中にも管理職に向いている強みがあることに気づき、自分だからできるマネジメントがあるのではないかと一歩踏み出すことができました。

管理職としてスタッフが動きたくなる形をつくるには?

男性のマネジメントが悪いと言っているわけでは、もちろんありません。お伝えしたいのは、男性でも女性でもマネジメントのやり方は一通りではないということです。自分のやり方をどうやって見つけるかです。でも、それって簡単ではありません。私もこんな話をしていますが、いろいろ失敗を重ね、勉強をし、自分なりのマネジメント法を確立してきました。

私が思う管理職の仕事とは、スタッフが自ら動きたくなるような形をつくることです。でも、つい5年くらい前までは、スタッフが思ったように動いてくれないとイライラすることもありました。マネジメントを変えなければと思ったときに役に立ったのが、子育ての経験です。考えてみると、管理職は部下を、親は子どもを、応援する役割です。どちらも人材育成。共通する部分が多いのです。

子どもはどんなに叱りつけても、心の中に必要な条件がそろわなければ、進んで行動しません。遊びやゲームでさえそうです。私は子どもが動かないときは、どうしたらしたくなるだろうと、動き始めるために足りない要素を探すことに心をくだきました。そうして、少しずつ動き始めたら、いいところを「すごいね」と褒めます。すると、子どもはもっと成長したくなり、苦手なこともやったほうがいいなと自分で気づき、親が言わなくても動き始めるのです。ポイントは「いいところ」を探すことです。

この、わが子の自己肯定感を高めようと向き合った経験はスタッフのモチベーションを引き出すときに生かされました。

管理職としてうまくいっていなかった頃の私は、スタッフにもダメ出しばかりしていました。でも、マネジメントを変えなければと思ってからは、スタッフのいいところを見つけては「あなたのこういうところはすごいね、助かるよ」と言葉にするようにしたのです。自分の強みは意外と気づいていないものです。自分では当たり前と思っていることが多い。でも、そこを言葉にしてあげることで、スタッフは自分には価値があり、会社に貢献できていると思えるようになります。会社に対しても「ここの会社は自分をちゃんと見てくれる」と思ってくれるようになります。

ここから後は、子どもの成長と同じです。もっと貢献しよう、スキルを上げようというモチベーションが生まれて、仕事の中で苦手なことにも進んで取り組んでくれるようになります。今ではスタッフのみんなが生き生きと自分から動いてくれるようになりました。

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