――アース製薬生え抜きで初の社長に指名された時、どう感じましたか。

「うれしいという気持ちは1ミリもなく、冷静に受け止めました。まわりは喜んでくれたのですが、正直イメージがわかなかったし、『ずっと大塚グループ出身のトップだったのに、僕で大丈夫かな』と考えていました。ただ、『どうせ誰かがやるなら自分でやろう』とも思いました」

トランペットやピアノなどの楽器演奏は学生時代から続けている。トランペットではジャズを演奏することが多く、「社員の前でトランペットを演奏する、と宣言した手前、教室へ練習しに通っています」

「一方で、しんどいという感覚もなく、自分がこれまでやってきた延長線上でやれば大丈夫だと感じていました。大きいことができる人は小さいこともできる、と考えたのです。広島支店長から大阪支店長になったとき、『組織が大きくなるから大変だ』と言われたのですが、僕は大きいから難しいとは思いませんでした。これまで通りのコミュニケーションを継続していけばよいと考えていたからです。社長になったときも、もちろんプレッシャーはありましたが、広島支店長、大阪支店長、そして今度は『アース支店』とでも言えるアース製薬社長になるんだ、という感覚でした」

コロナきっかけに新しいステージに

――子どもの頃からリーダータイプでしたか。

「3人きょうだいの長男として育ったので、子どもの頃は弟や妹を率いる役割はあったかもしれません。学校でもどちらかというと、中心にいるタイプだったように思います。学生時代は遊ぶのに忙しかった記憶がありますが、アルバイトに行くとバイト長に指名されることが多かったです。仕事を任されやすいキャラクターだったのかもしれません」

――新型コロナの影響をどう捉えていますか。

「現実を認める力が必要です。新型コロナはいつかは終息するでしょうが、元には絶対戻らないという前提で考えています。例えばリモートの技術は以前からありましたが、今回のコロナをきっかけに普及して、実際に使ってみると初めて課題や不満点が分かりました。これを次のステージに進むきっかけだと捉えて、当社では対面でやらなくてよい会議はリモートで、という考え方が定着しつつあります。『リモートでは意見が出にくい』という意見もありますが、では対面の会議で本当に毎回議論が白熱していたのか、疑問に思います。ああ言えばこう言う、という姿勢ではなく、新しい日常の良い面に注目して取り入れていければいいな、と考えています」

川端克宜
1971年兵庫県生まれ。94年近大商経卒、アース製薬入社。大阪支店長などを経て2013年に取締役ガーデニング戦略本部長。14年から現職。17年1月からアースグループ最高経営責任者(CEO)も兼任。

(下川真理恵)

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