男性の育児はマイナス1歳から 佐賀県の山口知事

企業の育児休暇制度は充実してきたものの、男性の休暇取得はまだまだ少なく、「制度は一流、実態は二流」とも揶揄(やゆ)されています。積水ハウスが先日発表した「イクメン白書2020」で全国ランキングで1位になったのが佐賀県。自身も育休取得の経験がある山口祥義知事にイクメン力アップに向けた取り組みを聞きました。

「イクメン白書2020」…積水ハウスが2019年から実施。企業で働く男性の育休取得の実態を探るのが狙い。イクメン力ランキングは指標として(1)配偶者評価(2)育休取得日数(3)家事・育児時間(4)家事・育児参加幸福感の4つの指標を設け、ポイント算出により都道府県ランキングを作成した。

配偶者からの評価高く

――佐賀県の「イクメン力」日本一おめでとうございます。

「びっくりしました。まさか1位とは。昨年が36位だったので、頑張って1ケタぐらいにはなってるかなという中で努力をしてきたわけですが、まさか1位になるとは思いませんでした」

――今回、積水ハウスの調査をみると、配偶者評価、育休取得日数、家事育児の時間、家事育児参加幸福感のこの4つの指標でポイントを算出しましたが、特に配偶者からの評価が高かったです。

「これがとってもうれしいことです。僕らがずっと取り組んできたことは出会いから結婚、妊娠、出産、仕事、子育てまでトータルパッケージで分厚く支援をしようということ。そして今回、『夫はイクメンだ』と思う妻が多かったわけですね」

「これをよく分析してみたわけですよ。そうすると20代から30代で夫をイクメンだと思う回答は佐賀県の場合70%。全国平均よりも約13.7%高いですね。ところが佐賀県でも40代から50代に関していうと全国平均よりも約6.5%低いんです。若い世代は奥さんの旦那への好感度が異常に高いわけですよ。育児を一緒にするようになってるから」

「九州は合計特殊出生率で子供のたくさん生まれる地域なんですけれども、男性の育児参加率のあまりの低さにぼうぜんとしました。ここを改善して九州男児のイメージを変えれば、だいぶ九州ってよくなるんじゃないかって思ったんです。特に若い人への訴求をやってきたので、まあそういった成果がでてきたのかなって思ってうれしかった」

「私も55歳ですけど、より上の世代に啓発も必要だなと思いました。三世代同居も多いので、おじいちゃんやおばあちゃんが『男性はこうしたもんだ、女性はこうしたもんだ』という『もんだ症候群』になっていると、せっかく若い世代がいい感じになっているのとうまく同化できない。これからの九州男児の良さは育児参加も女性と一緒になって取り組むことだよ、という雰囲気にしていかなければならない」

職場の上司の理解がカギ

――知事ご自身は一父親として育児参加についてどのようにお感じですか。

「私は子どもが3人います。九州では一般的です。やはり私も『もんだ症候群』なところがありました。3人目の子供が生まれる時に、どうしても妻が病院に入院しなければいけないという時期がありました。その間、4歳の長男と3才の長女をワンオペで、家で面倒を見なきゃいけないといういう時期がありまして。その時に本当に気づかされました」

「家で朝起きて何したかな。もう順番覚えてないけども。朝ご飯をつくって昼のお弁当も作って子供を起こして、バスに送りにいって掃除して、また晩飯作る準備をしてとか、子供が病気になったりもしました。私の要領が悪いというのもあったんでしょうけど、いつの間に1日がたっていたという。『育児は妻の仕事』なんて勝手に思っていた自分がすごく恥ずかしくなったというか。こういうことに気づけたって大事だなって思います。あそこでよく気付いたなと思った。一緒に子供たちと向き合う時間が多いのは、なんて幸せで人間的なんだろうと気づかされました」

「当時、鳥取県庁のなかには(育児休暇を取得する人は)ほとんどいなかったんじゃないかなあ。子育て中の人は年齢が若いので上司がどう判断するかが大きい。当時、私は39歳で鳥取県の商工労働部長でした。自分が『育児休暇をとる』と宣言して、当時の知事(片山善博・元総務大臣)が『とるべきだ』と言ってくれました。上司がどういうかなんです。私が部長でとっていれば部下にも認めるでしょう。上の考え方って育児参加には大事だと思います。ちなみに鳥取県はそこからぐっと育児休暇の取得率が増えました」

注目記事
次のページ
子育てし大県(たいけん)さがプロジェクト
今こそ始める学び特集