「自分の考えを持つ」のが部門長の役割

――現場時代はどのようなリーダーだったのですか。

「アース製薬という大きい国の中で、川端という小さい国をつくっていた、と言えばいいいのかな。独自路線を貫いていたと思います。会社として進む方向は一緒にするという大枠は守りながらも、『おかしいな』と思ったら臆さずに意見を言っていました。もちろん、言い方には気をつけますよ。でも、進むべき方向さえ間違っていなければ、自分の考えを持って進めることが部門長の役割だと思います」

今年、本社ビルにソファや観葉植物などおしゃれな内観のカフェスペースを設けた。気軽に話せる場をつくるのが目的だが、単純に「社員の喜ぶ顔が見たかったんです」と笑う

「13年にガーデニング事業の本部長になったのですが、物づくりから販売まで一貫した部署で、それぞれの社員が自分で決めないと物事が進まない、と考えました。当時は現場で即断する社風ではなかったので苦労しましたが、『僕が責任を取るのでやってください』と部下たちに頼みました」

「事前に(当時の)社長の許可が必要なのでは、と気にする人もいました。でも、僕は独自の取り組みは事後報告していました。『会社はこう言っているけど、僕はこう思うのでこういうふうに変えましたけど、良いですよね』と。ちゃんと理由を説明した上で社長に伝えれば、納得して認めてくれると分かっていました」

――人材育成にはどのように取り組んでいますか。

「広島や大阪で支店長だった時から、部下とのコミュニケーションを大事にしています。ありきたりに聞こえますが、意外と難しいんです。課長くらいまでの役職なら、自分で全てやれば早いしうまく進むこともあります。ただ、それ以上の役職になると組織の規模も大きくなって、自分で得意先に出かける時間に限界があると気づきました。自分でやるより、仕事に対して同じ志を持ってくれる人を2人、3人と増やしていく方が大事なんだと学んだのです。そのためには、対話しかない。現在、アース製薬の社員共通の価値観として、『コミュニケーション』『人がすべて』と掲げています。相手と話をして、腹に落ちてもらえることが大事なんです。これからも、僕と考えを共有して事業を推進してくれる社員をたくさん増やしたいのです。今まで以上に、言葉を尽くして社員と対話していこうと思っています」

川端克宜
1971年兵庫県生まれ。94年近大商経卒、アース製薬入社。大阪支店長などを経て2013年に取締役ガーデニング戦略本部長。14年から現職。17年1月からアースグループ最高経営責任者(CEO)も兼任。

(下川真理恵)

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