クリエーターの藤原ヒロシさんが、2019年から取り組んでいるブルガリとのコラボで初のメンズコレクション「FRAGMENT(フラグメント)×BVLGARI」を発表した。自身のブランド「FRAGMENT」のロゴを効かせたナイロン製トートやベルトバッグ、カジュアルなブリーフケース、ミリタリー調の時計……。藤原さんならではのストリート感あふれる味付けがファンの心を踊らせる。一つ驚きなのが、これらのユニークな商品群を、海を越えたリモートワークで仕上げたということだ。新型コロナの感染拡大は創作活動にどんな影響を与えているのか。リモートワークで緻密なファッションの仕事は可能なのか。藤原さんに聞いた。
「ちょっと雰囲気変わった」と思われるものができた
――コレクションでは藤原さんのデザインテイストをどのようにブルガリに落とし込んでいるのですか。
「このNATOストラップの時計が分かりやすいと思います。ベースはブルガリ・ブルガリというよく知られた定番の時計。それを僕が好きなミリタリーっぽいアレンジにして、シンプルにデザインしました。だれもが知っているキャッチーなものを、フラグメントがやったらこんな感じ、という見せ方ができます。全く新しい商品を1からやるよりも、もともとある商品を対象にする方がやりやすい」
――レディースとメンズではストリート風デザインのまぶし方が変わりましたか。
「コラボの第1弾、第2弾のレディースでは、ブルガリのクラフツマンシップを理解しつつ、探り探りデザインしました。こちらが踏み込むパーセンテージをじっくり考えてやるのはメンズも一緒。ラグジュアリーブランドは、そこまで“ストリート”を望んでいませんよ、というところもありますし、商品はブルガリのお客さん寄りです。ブルガリのお客さんが、ちょっと雰囲気変わったね、と感じて買ってくれるようなものができたと思います」
「バッグや小物は、従来のブリーフケースや財布をアップデートしたものと、ナイロンバッグのようにまるでなかったものを1から作ったものの2パターンあります。ブランド側のやりたいことが明確だったため、その中で、自分ができる範囲で遊びました」

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