2020/10/8

――リモートワークで大事なことは何でしょうか。

「お互いの信頼ではないでしょうか。ミラノに行けば丸1日時間をかけてミーティングをして、サンプルを一つ一つチェックしていくのですが、それができず、コミュニケーションの回数は格段に減ります。だから、信じてお互いの仕事をやる。相手の意見を尊重し、任せるところは任せる。会っているとき以上に、人間関係や信頼度をどんどん高めていかないと、リモートワークはできなくなっていくかもしれませんね」

「リモートではお互いの信頼が大切。相手に任せる部分がかなり出てきますので」

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――ご自身の生活はどう変わりましたか。

「毎月1回は海外に出ていたのがゼロになりました。緊急事態宣言のあと外出しない時期も相当ありました。そもそもお酒を全く飲みませんし、クラブも行かないし、夜出歩くのは食事に行く時くらい。港区の自宅近くにあるホテルのカフェが予約制でオープンしていたので、最近はそこにいつも行っていました。お昼ごろにご飯を食べに行くとだいたい同じ顔ぶれ。次第に話をするようになり、コミュニティーが生まれ、合宿みたいで面白かった」

――コロナ禍のもと、クリエーターとして何か発見はありましたか。

「先ほども話しましたが、リモートで洋服をつくるのは難しいことが分かりました。逆にプロデュースしている映像に関しては、リモートが向いているなと思いましたね。あと、大きな会議をだらだらやっても結局何も決まらないのに、リモートだと割とすんなり決まることが多い。時間をきっちり決めてミーティングをするようになるのはいいことでしょうね」

エッジのきいたトート(左がナイロン税別16万8000円、右はカーフ22万円)

――コロナショックでファッション界は停滞し、おしゃれ心も後退するのではといわれています。

「格差がもっと拡大するかもしれません。お金持ちは海外旅行に行けない、飲みにも行かない。お金の使い道がないので、時計や高級車や絵を買っていると聞きます。オークションも活況らしいですし、ぜいたくに消費する人とそうでない人とに、どんどん二極化しそうです」

「では多くの人のファッションに対する関心は低いのかといえば、スニーカー熱だってあるように、コロナ禍であっても何かしら買いたいものはあるはず。僕はやはり欲求みたいなものは、すべてがなくなるわけではなく、状況が回復したら買いたくなるものがまだいっぱいある気がするのです。仲間からはお店を閉めている分、ネットがすごく売れる、とよく聞きますし、実際、僕のブランドも売れています」

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――店舗をやめてオンラインのみにするブランドもあります。

「オンラインだけで完売するならそれだけでいい、という話にもなりますが、僕はそれだとつまんないと思うし、実店舗での新しい売り方もあるでしょう。それに地方で頑張ってくれている店もあるのですから、売れるものをそうした店に提供していかないと義理が立たない。お店を助けるというのはイコール、自分も助けられることなんです」

(聞き手はMen's Fashion編集長 松本和佳)


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