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オンラインでのやりとりでは文章表現の能力がこれまで以上に問われやすい(写真はイメージ) =PIXTA

オンラインでのやりとりでは文章表現の能力がこれまで以上に問われやすい(写真はイメージ) =PIXTA

ウィズコロナがすっかり日常となった感がありますが、幹部転職市場においては、この環境下でもオファーが殺到するミドル・シニアと、応募すれどもすれども次のステップに進めない人との二極化傾向がビフォーコロナ以上に強まっているように感じます。いまひとつうまくいっていない人と面談で話すと、実はせっかくの良い経験や専門、特定領域での強みを持っているのに、それを伝えきれていないせいで、新天地への橋が懸かっていないというケースもかなり多く見られます。うまくいっている人とそうでない人の差はどこにあるかといえば、それは「言葉力」「文章力」の差にあるのです。

転職活動において、自身の経歴や考えを具体的かつ論理立てて、時に思いも込めて書けているか(職務経歴書)、話せているか(面接・面談)。そもそも、この記述力・表現力についてはコロナ以前に、転職活動の土台となる非常に重要な力です。特にウィズコロナで面接がオンライン化したことに伴い、対面以上に話し方に明瞭さ、具体性、話の筋道の論理性、分かりやすさ、一方では言葉使いから感じられる性格、人間性などについての表現力が選考段階で問われるようになっています。

またそれに加えて、この局面での選考ポイントとして強く留意してほしいのが、入社後のミドル・シニアの皆さんの勤務スタイルを前提とした選考評価ポイントです。どういうことかといえば、入社着任後の業務もオンラインベースとなることから、ビフォーコロナ以上に「明確、的確に言語として部下や同僚、上司とコミュニケーションできる人」か否かが、強く問われるようになっているのです。

以前に当連載でグーグルが明らかにした「生産性の高いチームが持つ共通点」についてご紹介しました。(2019年8月9日公開「グーグルが出した『最終解』 理想のリーダーとチーム」)。グーグルの「プロジェクトAristotle」が導き出した「チームを成功へと導く5つの鍵」は次の通りです。

1)心理的安全性(Psychological safety) 不安や恥ずかしさを感じることなくリスクある行動を取ることができる
2)信頼性(Dependability) 限りある時間を有効に使うため、互いに信頼して仕事を任せ合うことができるか
3)構造と明瞭さ(Structure & clarity) チーム目標や役割分担、実行計画は明瞭であるか
4)仕事の意味(Meaning of work) メンバー一人ひとりが自分に与えられた役割に対して意味を見いだすことができるか
5)仕事のインパクト(Impact of work) 自分の仕事が組織内や社会全体に対して影響力を持っていると感じられるか

このウィズコロナ下、改めてこれを見て、5つの項目をいかにオンライン上で「言葉力」と「文章力」で成立させることができるかを考えてみて、日々の行動やコミュニケーションスタイルをセルフチェックしてもらえると、非常に効果的です。業務の役割やタスク、計画を明瞭にすること。仕事の意味づけやインパクトをしっかり伝える工夫をすること。そしてチームやメンバー間がリモートでも安心して働ける、同僚や上司と気軽にコミュニケーションできる、お互いが信頼し合っている前提で闊達に業務コミュニケーションできるような「場」づくり。こうしたことを「言葉力」と「文章力」を駆使して実現できるミドル・シニアは、いま「買い」なのです。

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