証券会社がなくなる 業界に芽生えた変化とこれから紀伊国屋書店大手町ビル店

「むやみに数を追わない」「相場の話はしない」「投信はやらない」「売れる商品でも売らない」――そんな見出しで語られる4人それぞれの考え方や行動は、証券業界のこれからの変化を考える上で、大きな参考になるだろう。

業界最大手、野村証券の苦悩やネット専業証券の動向も視野に収めながら、著者は「いま、証券業が迫られているのは、曖昧でその役割規定すら判然としない『証券業』という名前をいち早く消すレースである」と結論づける。「ビジネス書のスマッシュヒットが出てこない中で、店頭に並んだ瞬間から大きく反応が出た」と同書店でビジネス書を担当する西山崇之さんは話す。通勤する人が減っているとはいえ、金融の街でもある東京・大手町では当然の反応だろう。

『捨てられる銀行』第4弾が2位に

それでは、先週のベスト5を見ておこう。今回は取り上げた本に合わせて、新書のランキングを取り上げる。

(1)証券会社がなくなる日浪川攻著(講談社現代新書)
(2)捨てられる銀行4 消えた銀行員 地域金融変革運動体橋本卓典著(講談社現代新書)
(3)人新世の「資本論」斎藤幸平著(集英社新書)
(4)絶対に挫折しない日本史古市憲寿著(新潮新書)
(4)感染症の日本史磯田道史著(文春新書)

(紀伊国屋書店大手町ビル店、2020年9月21~27日)

今回紹介した証券業界の最前線リポートが堂々の1位だ。2位も同じく講談社現代新書で、こちらは銀行がテーマ。『捨てられる銀行』シリーズの第4弾で、コロナ後の地域金融を実際の銀行員の動きと金融庁の方針から考えていく。3位は経済思想の研究者が環境危機の時代を乗り越える解決策を考察する。4位は、テレビなどでおなじみの若手社会学者が書いた日本史の入門書。5位には、『武士の家計簿』で著名な歴史学者が平安期の史書や江戸の随筆、100年前のスペイン風邪流行当時の政治家や文豪の日記などから、感染症と対峙してきた日本人の知恵を探る本が入った。

(水柿武志)

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