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フレンチ巨匠の弟子が作る謎解きメニュー 東京・銀座

2020/10/12
メインの「ユクコロカムイにカムイノミ」。料理名はなぞ解きのように楽しい
メインの「ユクコロカムイにカムイノミ」。料理名はなぞ解きのように楽しい

東京・銀座5丁目のバーや飲食店がひしめく雑居ビルの6階に、以前イノベーティブ料理で数多の食通を驚がくさせた予約の取れない名店「盡(じん)」があった。そこをリノベーションし、2019年12月にオープンしたのが「ル・シーニュ」である。

うっかりすると通り過ぎてしまう間口の狭いエントランス、エレベーターで目指すフロアに降りても平凡な通路に小さなバーがあるだけ。本当にここに名店があるのだろうか? と進んで行くと突然現れるモダンなたたずまい。これには否が応でも高揚してしまうではないか。

Summary
1.謎解きメニューの答えは料理にあり
2.巨匠アラン・デュカスの薫陶(くんとう)を受けた名シェフが就任
3.シェフの料理にほれ込んだソムリエのペアリングがすごすぎる

店はカウンターの9席のみ。ワクワクするすべてのことは地球にあるのだとインテリアはアースカラーで統一している。大地の色や木のぬくもりは、初めて訪れたとしても非常にくつろげる。

ショープレートの上に置かれているメニューを開くと右側には「ミニヨンズ現る」「不屈の塊」などなど、なにやら謎めいた料理名が書いてある。

そして左側にはペアリングするワインが記載されており、見るとワイン通にとって垂涎(すいぜん)の銘柄ばかり。メニューに料理とワインが並ぶということはペアリングを薦めているのだろう。このしゃれた演出に始まる前からワクワクが止まらない。

シェフの上野宗士さんは辻調理師専門学校フランス校を卒業後、東京・南青山の「ラマージュ」(現在は閉店)で修業し、2002年に渡仏。パリの五つ星「オテル・ドゥ・クリヨン」でジャン・フランソワ・ピエージュに師事。2007年に帰国し「ベージュ アラン・デュカス東京」の副総料理長に就任し、アラン・デュカス氏から絶大なる信頼を受け、「ル・コントワール・ド・ブノワ大阪」(現在は閉店)の総料理長として腕をふるってきた実力派だ。

そんな上野シェフはどんな驚きを提案してくれるのだろう。

まずは「北の国から」という名の料理……。

「北の国から」。ナスタチウムのピリッとした辛さがアクセントになった鮮やかな一皿

「絶品」とはこの料理のためにある言葉ではないだろうか。北海道産の白貝はプリッと弾け、ブロッコリーのピュレが混ざり合ったヴェルモットソース(魚介料理用の代表的なソース)はクリーミーなスープのよう。さわやかな酸味はレモンをたっぷりきかせたもの。中からのぞくブロッコリーの食感、そしてナスタチウム(キンレンカ)のピリッとした辛さが良いアクセントになった、目にも鮮やかな皿だ。

合わせたワインは「Chateau Smith Haut Lafitte Blanc 2006」。熟度の高いソーヴィニヨン・ブランならではのオイリーなニュアンスがあり、樽(たる)からくるほのかな苦みが白貝やヴェルモットソース、ナスタチウムの葉と見事に調和する。

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