Men's Fashion

テレワークでサマになる 変化自在のカーディガン

プロのコーデ

SEPTISオーナー 玉木朗さん

2020.10.10

寒暖差が激しい秋は、脱ぎ着しやすい羽織り物が重宝だ。特に注目したいのがカーディガンだ。上品ながらもジャケットのような堅苦しさがないため、オンオフ問わず使い勝手がいい。特に今年はテレワークやWEB会議での着用も見据えて手に入れてもよさそうだ。今回は東京都世田谷区の三軒茶屋にある「SEPTIS」のオーナー、玉木朗氏にカーディガンの選び方や着こなしを聞いた。




選ぶなら“ハイボタン”の一着を

――玉木さんにとってカーディガンとは?

「僕のような60年代や70年代を通ってきた身からすると、勝負服なんですよ。今は部屋着のイメージが強いかもしれないけれど、当時のアメリカのアイドル歌手なんかは、みんなレコードジャケットでカーディガンを着ていた。今でもコーディネートに欠かせないアイテムなので、山ほど持っていますね」

――カーディガンの魅力はどこにありますか?

「一着でいろいろな着こなしができるんですよ。ばさっと羽織ることもできるし、ちゃんと留めればVネックのセーター感覚でも着られる。暑ければ肩に掛けるだけでもさまになりますしね。構造的にはセーターの前身頃が開いただけですが、こんなに着こなすのが楽しい服は他にないと思います」

チェックシャツを中に着た例。モニター越しならシャツの色と柄が適度なアクセントになりそうだ

――選ぶとき、どこに注意すればいいでしょう。

「胸元の開きが広いほど、おじさんっぽく見えるということでしょうね。Vゾーンの広いカーディガンは、なんとなくアメリカのかっぷくのいいおじさんが着ているようなイメージがあります。それに対して、特に70年代頃は『ヤングはハイボタン』という認識が根強かったんです」

――SEPTISで提案されているカーディガンはほとんどハイボタンですね。

「そうですね。あと、カーディガンは使い勝手がいいアイテムなので、できるだけオーソドックスなものを持っておくのがいいと思います。生地は薄くもなく、分厚くもなく、中くらいの厚さで。色は主張が強くないベーシックなものがよくて、無地なのは絶対条件。カーディガンで勝負しようとしない方がいいと思いますよ」

――他のアイテムの引き立て役ということですね。

「主役として扱うとなると、もっと柄や色に主張がほしくなるじゃないですか。そうするとTシャツなどと合わせにくいし、仕事着にもしづらいと思うんです」

WEB会議にはカーディガン Vゾーンで存在感を

――着こなしのコツはありますか?

「例えば柄のシャツを中に着て、上にカーディガンを羽織る。そうすると、Vゾーンに適度な主張が生まれるんです。そういうふうに細部でしゃれっ気を演出するのがいいかと思います。大人の着こなしに欠かせない“分かっている感”が出ると思いますよ」