――IoTプラットフォームのifLinkもシステムの開発にプログラムが要らないということです。これもノーコードと同じ流れですか。

「その通りですが、我々はさらに先を行っています。今話題になっているノーコードとかノンプログラミングはソフトウエアやウェブ上に限定されたものです。これに対してifLinkを使えば、IoTというリアルな世界でモノとモノをつないで、企業の従業員などエンドユーザーが自分が使いたいシステムを自ら開発することができます。例えば『帰宅者が自宅近くまで来たら、風呂を沸かす』とか『外国人観光客が案内看板の前に立つと、看板の文字がその人の出身国の言葉に変わる』といった仕組みができています。接近を感知するセンサーなどのデバイスや、『風呂のスイッチを入れる』『看板の表示文字を変える』といったサービスを、それぞれモジュール化して、これらを組み合わせることで、新しい仕組みやサービスを生み出すことができます」

「3月に活動を始めたifLinkオープンコミュニティには、様々な業種の企業や大学などから100を超える会員が参加しています。センサーやカメラ、表示装置といったハードウエアやサービスを開発することが得員な会員と、これらのモジュールを組み合わせて新しい仕組み(ユースケース)作りをすることが得意な会員が、交流しつつifLinkを活用してたくさんのアイデアを生み出しています。これまでに約90のモジュールが開発され、約300のユースケースのアイデアが生まれました。活動開始からわずか半年という短期間で、驚くべきペースで成果が出ています。これはプログラミングが不要なため、アイデアを早期に実現できるからにほかなりません」

――東芝グループはifLinkのプラットフォームを広く公開して普及を後押ししています。このプラットフォームで将来どのようなビジネスを考えているのですか。

「例えればグーグルのようなビジネスを考えていると思ってください。グーグルは検索や位置情報などのプラットフォームを無償で提供しつつ、大きな収益を上げています。我々の具体的なプランをここで言うことはできませんが、将来構想はちゃんと考えています」

――プログラミング不要の世界が広がると、プログラマーは要らなくなりますか。

「ノーコードとかノンプログラミングといっても、そのような仕組みを作るためのプログラムを書く人は必要です。また、ノーコードでは対応できない、高度で複雑なプログラムやシステムを考えるプロフェッショナルが少数精鋭で活躍することになります。それ以外の人たちは、プログラムについて一般的な知識は持っていた方がいいですが、プログラムを自分で書ける必要はありません。その代わり、ウェブやIoTなどデジタル技術を使って何をやりたいのかというアイデアを出すことが、これからの時代では重要になってきます」

(編集委員 吉川和輝)

管理職・ミドル世代の転職なら――「エグゼクティブ転職」

5分でわかる「エグゼクティブ力」
いま、あなたの市場価値は?

>> 診断を受けてみる(無料)

「エグゼクティブ転職」は、日本経済新聞社グループが運営する 次世代リーダーの転職支援サイトです

NIKKEI 日経HR


ビジネス書などの書評を紹介
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら